世界遺産や趣のある路地を会場に見逃せないイベント満載!
大規模な国際イベントが、一 年を通じて多数開催されるマカオ。参加者も観客も世界中から集うとあって、街も国際色豊かになる。世界遺産を舞台に開催されるというのは、マカオならでは。個性あふれる行事やお祭りが目白押しのこの季節に、ぜひ訪れて!
第26回マカオ芸術祭 | ● 5月1日(金)〜31日(日) |
舞台は世界遺産と街角多彩なパフォーマンスを披露
マカオ政府文化局が主催するマカオ国際芸術祭。1988年にスタートして今年で26回目を迎え、今ではマカオの初夏を彩る風物詩として定着している。地元や海外からアーティストが参加し、昨年は日本からも、ビジュアル・パフォーマンスで活躍中の振付家・梅田宏明と影絵の劇団かかし座が公演を行っている。
会場は、モンテの砦やタイパ・ハウス・ミュージアム前、北帝廟前などのほか、聖ポール天主堂跡やドン・ペドロ5世劇場など。世界遺産をも会場にしているのは、マカオならではだ。
プログラムは、広東オペラやシアターパフォーマンス、ダンス、音楽、展示などその数は30を超え、なかには子供たちによるショーもある。昨年好評だったのが、プロジェクション・マッピングショー。聖ポール天主堂跡のファサードをキャンバスに見立てて行われた。第22回マカオ芸術祭での実施以来の復活で、いつもの荘厳な姿と一転して、華やかな姿を見せた。
これらのパフォーマンスは約1カ月間にわたって繰り広げられ、無料で楽しめるプログラムもある。期間中に旅行する人は、チェックを忘れずに。
詳細なプログラムやチケットの購入については、マカオ政府文化局サイト(中国語・ポルトガル語・英語)で確認を。URL:http://www.icm.gov.mo/
ドラゴンボート・レース | ● 6月13日(土)、14日(日)、20日(土) |
海外チームも多数参戦するマカオ国際ドラゴンボート・レース
年々注目度が高まり、最近は地元のみならず、海外からも多くのアスリートが集う。開催場所はマカオタワー近くの南灣湖。レースは男性、女性、男女混合の3種があり、さらに漕ぎ手が10人、20人の部に分かれる。龍をかたどったボートに、漕ぎ手、太鼓を叩いてリズムをとる太鼓手、舵取り手が乗り込む。太鼓の音に合わせて、力いっぱい漕ぎ、タイムを競う。水しぶきをあげながら滑るようにグングンと進む光景は迫力がある。
最近は応援も見どころのひとつ。揃いのコスチュームに身を包み、大きな旗を振るなど華やかな応援合戦が繰り広げられる。会場には無料の観覧席や食べ物の屋台も出店するので、周辺はお祭りムード一色に。
ドラゴンボートの起源は諸説あるが、有力なのは屈くう原げんのエピソードだ。楚の国の政治家であった屈原が、国に抗議する意味を込めて入水。しかし漁民たちが、屈原が龍や魚に襲われないよう、ドラや太鼓を打ち鳴らし、蒸した米を竹筒に詰め、水中の屈原に差し入れた。以来、屈原が入水した旧暦5月5日の端午節に、屈原を偲ぶためにレースが行われるようになった。ちなみに、日本の端午の節句にちまきを食べるのも、これが起源となっているという説もある。
参加チームや試合時間は、政府体育発展局サイト(中国語・ポルトガル語・英語)で確認を。 URL:http://www.sport.gov.mo/en/sites/dragonboat_sp
世界遺産めぐり | ● 聖ローレンス教会 |
かつて航海の安全を祈願した教会現在は結婚式場としても人気
世界有数の教会密集地帯として知られるマカオ。その数ある中でも、マカオ随一の壮麗さを持つと称されているのが、聖ローレンス教会だ。
歴史は古く、聖アントニオ教会、聖ラザロ教会とともにマカオの三大古堂のひとつにも数えられている。最初にイエズス会によって建てられたのは、1558~1560年頃。当時は木造の簡易なものだった。1618年には、ポルトガルの家や教会でよく見る土壁に建て替えられたという。その後、幾度かの改修や建て直しを重ね、現在の規模になったのは1846年のこと。左右に2つの塔と中国産タイルが貼られた屋根をもつ、新古典様式の石造りの壮麗な姿が誕生した。
中庭にはヤシの木が植えられ、真っ青な空に映えるクリーム色と白の外観が印象的だ。庭には、キリスト誕生から降臨までの、聖書の物語が描かれたガラスのモニュメントが並ぶ。ガラスの板一枚ごとに1シーンが描かれており、ひとつひとつじっくりと鑑賞したい。
「マカオで最もおしゃれな教会」結婚式を挙げるカップルも
内部の装飾も美しい。壁や柱、梁は白とクリーム色で統一され、爽やかなターコイズブルーの天井が目を引く。小ぶりながら華やかなシャンデリアがいくつも下がり、祭壇前には赤い絨毯が敷かれ、可憐さとともに優雅さも醸し出している。
聖書を題材にした図案と、モダンなデザインのステンドグラスも見逃せない。訪ねるなら午前中がおすすめ。明るい光が差し込み、室内は一層柔らかな雰囲気に包まれる。
マカオでも屈指の美しさとおしゃれな教会は、地元のカトリック信者たちの結婚式場としても人気となっている。
漁業の街ならでは別名「風順堂」の由来
祭壇に祀られている聖ローレンスは、ローマ皇帝の迫害にあった殉教者のひとり。海の神様として崇められている。
教会の立つ、風順堂街と鵝眉街が交差する一帯は、南灣エリアが開発される以前は浜辺に面していた。船乗りの家族たちは海を望むこの教会の石段に集まり、安全な航海に欠かせない良い風に恵まれるように祈り、出港を見送ったという。聖ローレンス教会の別名「風順堂」、つまり順風教会は、こうしたことに由来する。
聖ローレンス教会は、世界遺産歩きの起点となるセナド広場からも媽閣廟からも歩いて15分ほど。ドン・ペドロ5世劇場や、聖ヨセフ修道院及び聖堂なども近いので、併せて見学したい。開館時間:10時~17時、無休、無料