ベストタイムに訪ねたい!朝・昼・夕方・夜時間帯別の世界遺産巡り
World Heritage seneriesThe beautiful moment of the day


夕暮れとともにセナド広場に立つ建物の明かりが灯り始める

夕暮れとともにセナド広場に立つ建物の明かりが灯り始める

「マカオ歴史市街地区」がユネスコ世界文化遺産に登録されて、今年で10周年。30カ所に点在する世界遺産スポットの魅力を、より感動的に体験するには、それぞれに異なる「訪ねたいベストタイム」を知っておくことが必要だ。朝、昼、夕方、夜の、時間帯別に楽しめる世界遺産巡りコースを紹介しよう。

どこからともなく人が集まってくるリラウ広場

どこからともなく人が集まってくるリラウ広場

ステンドグラスが美しい聖ローレンス教会

ステンドグラスが美しい聖ローレンス教会

民政総署から見たセナド広場

民政総署から見たセナド広場

時間帯別の世界遺産巡りマップ

長崎のグラバー園名誉園長が世界遺産を巡るテレビロケでマカオを訪問

聖ポール天主堂跡での取材光景

聖ポール天主堂跡での取材光景

11月中旬に長崎文化放送(NCC)で、マカオの世界遺産登録10周年を祝うとともに、長崎の世界遺産登録を願う番組が放映されました。同番組のナビゲーターを務めたのは、グラバー園の名誉園長で、長崎総合科学大学教授のブライアン・バークガフニさん。マカオロケの様子や、世界遺産に寄せる期待などをお伺いしました。

編集部 30のスポットで構成されているマカオの世界遺産。今回はどこを見学されましたか。

バークガフニ 鄭家屋敷やギア要塞など一部の構成資産を除いて、ほとんどすべての世界遺産を見学することができました。

編集部 もっとも印象に残っているのは、どこですか。

バークガフニ やはり聖ポール天主堂跡です。火災を免れた石造りのファサードには、イエズス会の設立者たちの像やキリスト教のさまざまなシンボルの他に、漢字で書かれた言葉なども刻まれており、マカオにおける西洋と東洋の出会いと共存を物語っています。設計者は長崎で殉教したイタリア人のイエズス会士カルロ・スピノラ、また教会の建設には本国から追放された日本人キリスト教徒も加わったと聞いて驚き、長崎とマカオの歴史的関係の深さを改めて感じました。

さらに、近年の調査で掘り出された日本人殉教者や、イエズス会士アレッサンドロ・ヴァリニャーノの遺骨などがマカオ政府により開設された資料館に納められています。巡察視として日本を訪れたヴァリニャーノも長崎と関係の深い人物で、私が平成4年のNHK大河ドラマ「信長」で彼の役を演じた経験もあるだけに、感慨深いものがありました。

編集部 マカオでは、さまざまな方との素晴らしい出会いがあったようですね。

バークガフニ 特に印象に残った方は、旅遊学院(IFT)のシャリフ・シャムス・イモン副教授とマカオ料理店経営者のお2人です。世界遺産の管理と活用に関する研究を進めているイモン副教授から、マカオにおける若者の積極的な活動や地域住民の郷土愛に支えられた街づくりなど、非常に参考になる話を伺いました。最も感銘を受けたのは、「世界遺産は観光客のためではなく、地域住民のためのもの」という言葉でした。もう1人は、「利多(リケショー)」という街角のマカオ料理店を経営する女主人。中国とポルトガルの血を引く彼女は、100歳の高齢にも関わらず魅力的で、広東語、ポルトガル語、英語を話す絵に描いたようなマカエンセでした。ポルトガル伝来の「パンデロ」を焼いてくれましたが、長崎カステラを思い起こさせる食感と美しい黄色の色合いに感動しました。

編集部 「長崎の教会群とキリスト教関連」が今後、世界遺産に登録されるとして、課題はどのような点にあるとお考えですか。

ブライアン・バークガフニさん。1950年カナダ・ウィニペグ市出身。72年ヨーロッパ・インドなどを経て来日。73年臨済宗入門得度、京都の妙心寺で9年間禅の修行後、82年より長崎市在住

ブライアン・バークガフニさん。1950年カナダ・ウィニペグ市出身。72年ヨーロッパ・インドなどを経て来日。73年臨済宗入門得度、京都の妙心寺で9年間禅の修行後、82年より長崎市在住

バークガフニ 長崎がマカオに見習うべきだと思った2点に集約できます。ひとつは、世界遺産とその周辺地域の連続性です。マカオの場合、教会や中国式の廟などはどこにその境があるかわからないほど町並みに溶け込み、昔ながらの姿と機能を持ち続けています。また、そのほとんどが入場無料ということは見逃せません。長崎の教会群の筆頭にある大浦天主堂や、去年世界遺産に認定された旧グラバー住宅は、フェンスに囲まれ高い入場料を取っており、地域住民の暮らしの中での「生きた歴史遺産」とはとても言えない状況にあります。

今後、マカオの例をモデルケースとして参考にしつつ、世界遺産の維持管理に必要な資金をどのように確保するかを再検討し、地域住民の関心と参加を喚起することにより、長崎全体が世界遺産の街として輝くことを期待しています。