まるで我が家にいるような
マカエンセたちの寛ぎの場



CAFE

ポルトガル風カフェ The Portuguese Cafe
上段左から:アート作品やワインも販売している「LVSITANVS」/ コーディネーターのダイアナ・ソエイロさん / いつもポルトガルのテレビ番組を放映している「LVSITANVS」/ エスプレッソとシュリンプ・ペストリー 下段左から:タイパ地区の中心街にある「カフェ・リスボア」/ ビーフやポークをはさんだサンドウィッチ /「LVSITANVS」は1928年に建てられたレトロな建物の1階にある / ミートロールのクロケッツ(コロッケ)

上段左から:アート作品やワインも販売している「LVSITANVS」/ コーディネーターのダイアナ・ソエイロさん / いつもポルトガルのテレビ番組を放映している「LVSITANVS」/ エスプレッソとシュリンプ・ペストリー
下段左から:タイパ地区の中心街にある「カフェ・リスボア」/ ビーフやポークをはさんだサンドウィッチ /「LVSITANVS」は1928年に建てられたレトロな建物の1階にある / ミートロールのクロケッツ(コロッケ)

マカオといえば、1887年にポルトガル統治下に置かれて以来、1999年12月に中国へと返還されるまで100年以上にもわたってポルトガルの統治下にあった。その影響から、今も多くのポルトガル人が暮らし続けている。彼らがかつて住み慣れていた本国ポルトガルは、紅茶文化圏のイギリスと違って、コーヒー文化圏の国であった。大航海時代に統治していたブラジルやインドネシアがコーヒーの 一 大産地だったことから、コーヒー文化が広まったという経緯もある。

本国では、ビカと呼ばれるエスプレッソをはじめ、ビカにミルクを混ぜたガロトと呼ばれるミルクコーヒー、ガラスのコップに入ったミルクコーヒーのガラオンなど、多彩なコーヒーを日々嗜んでいたのだ。いわばコーヒーこそが、彼らのアイデンティティの証ともいえるほど親しまれてきたのである。 

マカオへと移り住んでからも、コーヒーを欠かすことはできなかったのはいうまでもない。その後、マカエンセも親から受け継いだコーヒー文化を廃れさせることはなかった。時の移ろいとともに、少しずつコーヒー文化が裾野を広めてマカオ中に広まっていくのを根気よく待ち続けたのだ。本格コーヒーが味わえる店が増えてきたことは、ポルトガル人だけでなく、旅行者にとってもうれしい限りである。

軽食メニューも要チェック!ポルトガル人協会運営のカフェ

南欧スタイルのレトロな建物が連なる、ラザロ地区にも近いポルトガル領事館。そのすぐ目の前に店を構える「LルジタヌシュVSITANVS」も、ポルトガル人やマカエンセたちが我が家のように寛ぐポルトガル風のカフェだ。1928年に建てられたレトロな洋風建築の中にあるポルトガル人協会が経営する店で、コーヒーや料理、デザートに至るまで、ポルトガル同様の味をみごとに再現している。

ここでカフェの運営にあたるのは、6歳の時にマカオへ移り住んだというポルトガル人で、同協会のコーディネーターを務めるダイアナ・ソエイロさんだ。

ちなみに同協会は、カフェの経営だけでなく、タイルの絵付け教室やギター教室などさまざまな文化事業も手がける団体。このカフェも、マカオに住むポルトガル人やマカエンセたちが集うための施設として設けられたものだとか。加えて、マカオの人たちにポルトガル文化を伝えるための役割も果たしている。

とはいえ、旅行者にとってもポルトガル気分を味わうのにうってつけのスペースで、「ぜひ、日本の方々にも来ていただいて、私たちの文化を共に楽しんでいただきたいですね」と、ダイアナさん直々に来店をすすめていただいた。

ポルトガルのテレビ番組が流れる店内を見回すと、コーヒーを味わいながら新聞を読みふけるポルトガル人のおじいちゃんや、馴染みの客との会話を楽しむためにやってくるマカエンセたちであふれている。顔見知りが多いせいか、客同士での会話が弾んで、何だか皆さんとても楽しそうである。毎日のようにやってくる人が多いというのもうなずける。

ここではランチだけでなく、バカリャウのコロッケやシュリンプ・ペストリー、ミートロールのクロケッツ(コロッケ)など、ポルトガルならではの軽食メニューも豊富。特に塩ダラの干物をすり潰して、コリアンダーやニンニクの風味を加えたバカリャウのコロッケは絶品。これはコーヒーではなく、ビールまたはポルトガルワインとともに味わうのがおすすめだ。さらには、ポークやビーフをフランスパンにはさんだビファナノパンやプレゴノパンもボリュームたっぷりで食べ応え十分。

カフェはエスプレッソのほかに、ミルクを加えたカフェ・コン・レチェやカプチーノなど8種類。紅茶やビール、ワインの種類も豊富で、いずれもほかの店とは比べ物にならないほどリーズナブル。エスプレッソは5パタカ、カフェ・コン・レチェでも12パタカというから、正直なところ、目が飛び出るほどの安さである。利益よりも、人と人との交流に重きを置く同協会の姿勢の表れともいえるだろう。

メレンゲプリンやエッグタルトなどスイーツも充実!

ポルトガル人が経営する店としては、マカオ半島から澳オウ氹タム大ダー橋キウを渡っていくタイパ地区にある「カフェ・リスボア」も訪れておきたい店のひとつ。メレンゲプリンやパイナップルケーキといったポルトガルならではのスイーツが常時10種類ほど用意されているが、いずれも店主夫人の手作りとか。もちろん絶品の家庭料理も味わえるから、ランチやディナータイムに訪れるのも良さそうだ。

店内ではポルトガルのテレビ番組が放映され、多くのポルトガル人やマカエンセで賑わうところは、前述の店と変わらない。マカオに居ながらにして、ポルトガル風情が満喫できるというのは、ちょっぴり得した気分でもある。

また、セナド広場のすぐ近くでも、ポルトガル同様のおいしいコーヒーやスイーツを手軽に味わうことができる。板樟堂巷中ほどにある「澳門咖啡」がそれ。こちらは場所柄、外国人の観光客も多いが、それだけに何の気兼ねもなく、ぶらっと立ち寄れるのがいい。マカオで一番人気の高いエッグタルトをはじめ、エッグプディングやチョコレートケーキなどもあわせて味わっておきたい。

町並みに溶け込むようにして立つ「澳門咖啡」の店内はモダン。店内奥のショーケースにはスイーツが並ぶ

町並みに溶け込むようにして立つ「澳門咖啡」の店内はモダン。店内奥のショーケースにはスイーツが並ぶ

南欧の香り漂うラザロ地区へ

1568年に建てられた聖ラザロ教会を中心とするエリアで、ポルトガルの面影を色濃く残したレトロな建物が連なっている。馬忌士街(マァケィスィーガイ)や瘋堂斜巷(フォントンチェーホン)、和隆街(ウォーロンガイ)などをのんびり散策して、中世ポルトガル風情を満喫したい。

幾何学模様が美しい石畳、コロニアルスタイルの洋館に設けられたファサードや街灯などを眺めるだけでも楽しい。

同地区には、1875年に建てられた聖ミカエル教会や、築100年以上といわれる仁慈堂婆仔屋などの旧跡、カフェ、ギャラリーなどが数多く点在している。半日ほどかけてのんびり散策したいものである。

パステルカラーの彩りで風情たっぷりの洋館が立ち並ぶ

パステルカラーの彩りで風情たっぷりの洋館が立ち並ぶ