独自に進化した
カフェのニューウェーブに注目!



CAFE

最新カフェ The Brand New Cafe
左:落ち着いた雰囲気を醸し出した「Meet & Sweet」の店内。 右:日式緑茶芭菲(左)、珈琲蜜沙冰(中)、緑茶鮮奶咖啡(右)

左:落ち着いた雰囲気を醸し出した「Meet & Sweet」の店内。
右:日式緑茶芭菲(左)、珈琲蜜沙冰(中)、緑茶鮮奶咖啡(右)

これまでは、地元の人々に親しまれてきた下町の茶餐廳やベーカリー・カフェをはじめ、ポルトガル人やマカエンセ御用達のお洒落なカフェ、イギリス流儀のアフタヌーン・ティーが楽しめるカフェなどをめぐり歩いてきたが、近年増えつつある最新カフェの動向も見逃すわけにはいかない。アメリカやイギリス、さらには日本を含むアジア諸国など世界各国のカフェ文化のエッセンスを取り入れながらも、さらに独自に進化させたマカオならではの新カフェ文化が生まれつつあるからだ。いずれも、若い経営者が手がけているのが印象的だ。

2013年6月にオープンした「MEET&SWEET ミート&スウィート」も、29歳の青年実業家・揚ヤン俊チェン熹シーさんが経営するニューウェイブのひとつ。場所は、前述の三盞燈(サムジャンタン)にもほど近い住宅街。

揚さんはご両親も飲食店を経営しているという。イギリスに留学後、イギリス、マカオでホテルサービス業に携わり、マカオで1号店をオープンさせた。その後1年半を待たずして2号店の開業にこぎ着けたというから、経営は順調のよう。同店はイギリスのパブをイメージしたウッディな造りで、スポットライトを多用するなど、周辺のお店の雰囲気とは一線を画している。フィッシュ&チップスやワッフルなど、イギリスならではのメニューも多数取り入れているのも、同氏の経歴の故か。ユニークなのは、グリーンティーのパウダーを練り込んだクリームをコーヒーにトッピングした、緑茶鮮奶咖啡(ルイチャーツェンナイガーフェー)をメニュー化したこと。これはマカオで古くから親しまれているコーヒーと紅茶を混ぜた鴛鴦茶(ユンヨンチャー)に、斬新ともいえるセンスを加えたもの。

それにしても、「コーヒーと紅茶を混ぜるなんて…?!」と意外に思われるかもしれないが、実際に味わってみると、違和感もなく、むしろほっとする味わいである。こうした意外性にハッと目を見開かされるのも、マカオのカフェめぐりの楽しみのひとつである。加えて、抹茶アイス入りの日式緑茶芭菲(リーシッルイチャーパーフェイ)、コーヒー入りスムージーの咖啡蜜沙冰(ガーフェーマッサービン)などのデザート類や、朝食メニューなども豊富。目移りするほどのメニューの多さも、人気を維持していくためには必要なことかもしれない。

おしゃれに敏感な女性の心をキャッチ 国際色豊かなカフェ

左から:洋館をモダンに変身させた「il café gelato」。外観は明るい緑と一際目立つ。「cafe seis」のケーキとローズカフェ。経営者のアグネス・チェインさん

左から:洋館をモダンに変身させた「il café gelato」。外観は明るい緑と一際目立つ。「cafe seis」のケーキとローズカフェ。経営者のアグネス・チェインさん

「MEET&SWEET」にもほど近い、高層アパートが連なる雅廉訪大馬路(ンガーリムフォンダーイマーロウ)沿いにある「cafe seis(カフェセイス)」も、若き女性経営者の一人であるアグネス・チェインさんの熱意あふれるお店だ。こちらは、2014年3月創業。グレー 一 色の古びたアパート群の一角に、突如、目にも鮮やかなコバルトブルーに塗り込められた店がお目見えしたのだから、地元では結構、センセーショナルなことだったに違いない。イタリアやスペイン、フランスなどのほか、日本やベトナムなどの飲食文化を取り込むなど、さらに国際色が豊か。何より、ケーキやマカロンなどの種類が豊富で、ローズカフェやローズティーなど、おしゃれに敏感な女性たちを惹き付けるメニューも多い。「うちのケーキはとてもかわいいでしょ。見栄えだけでなく味もいいんですよ」と、すすめられたケーキを口に含むと、日本人好みの甘さ控えめで上品な味わい。ほんのりバラの香りが漂うローズティーも、リラックスするのに役立ちそう。

ここでも、3段重ねのトレイにケーキが並ぶティーセットを注文すれば、ホテル顔負けのアフタヌーン・ティーが堪能できる。ワンランク上のカフェ&ティータイムを、手頃な価格で気軽に楽しめる店である。

街歩きの疲れを癒やす冷たいデザート

ひんやりとしたデザートを味わうなら、タイパ・ヴィレッジ内にある「il café gelato(イルカフェジェラート)」がおすすめだ。元々、暑さ厳しいマカオでは、冰室(ビンサツ)と呼ばれたかき氷店やジューススタンドが多かった。イチジク茶やスイカジュース、仙草ゼリーといった日本では馴染みのない飲み物が至るところで味わえた。今ではモダンなスタイルのジェラートなどに取って代わられようとしている。

その代表格ともいえるのが、この店。各種フラッペやミルクシェイク、ジェラートのほか、ポルトガルならではのカスタードプリン「クリームブリュレ」など、いずれもカラフルにデコレーションされて実に華やか。しかも店は、レトロな洋館を改装したおしゃれ空間だ。その快適な空間で、チョコやバナナ、アイスクリームがたっぷり盛り込まれた甘いパフェを口にすれば、旅の疲れも消えていきそう。同時に良き旅の思い出が蘇って、何とも心地がいい。旅の締めくくりに訪れたい店のひとつである。

多様なスタイルに恵まれたマカオのカフェめぐり。カフェといえども、ほんの少し視点を掘り下げて見るだけで、マカオの人々の暮らしぶりや文化、歴史までもが見えてくる。「たかがカフェ、されどカフェ」。マカオのカフェ文化は、まだまだ奥が深そうだ。