東西文化が織りなす綾模様
A Blend of East and West


ナーチャ廟の脇からファサード、グランド・リスボアが、まるで年表のように直線上に並んでいる(地図❶)

ナーチャ廟の脇からファサード、グランド・リスボアが、まるで年表のように直線上に並んでいる(地図❶)

東洋と西洋の文化が混在する街並みは、マカオならではの景観。そんな東西の融合に、普段とは違うカメラ目線を意識して追ってみた。

新鮮なアングルで撮る聖ポール天主堂跡のファサード

1835年の火事で、ファサードのみを残して焼け落ちてしまった聖ポール天主堂。この建設が始まったのは1600年前後といわれている。日本では、豊臣秀吉や徳川家康によるキリスト教弾圧が厳しくなっていた時代にあたる。

威風堂々としたファサードは、それだけで充分に撮影意欲が湧く被写体だが、ちょっとアングルを変えてみよう。聖ポール天主堂跡へ続く階段の左脇を進んだところに、神童を祀るナーチャ廟がある。この小さな中国式の寺院は、1901年に建てられたもの。同敷地内に、西洋の教会と東洋の廟が共存している。そしてナーチャ廟からファサードを眺めると、さらにその先には、現代のマカオのアイコン的存在であるグランド・リスボアも見える。2008年に完成したホテルだ。まるで、マカオに流れた時間をひとつの絵巻で見るように、一枚の写真に収めることができる。

もう一つ、別のアングルから撮ってみよう。ファサードを正面にして左手の階段を下りると、パステルカラーの建物が並ぶ可愛らしい路地が出現する。その名も戀愛巷(恋愛通りの意)。ある程度、下ったところから振り返ってみる。両脇をパステルカラーに配されたフレームの奥に、ファサード。いにしえの恋人達を遠くで見守っていたかのように写る。ここでは観光客が比較的少ない早朝から朝9時頃までに撮影したい。

左:明るい緑の建物をバックに、手前の蓮の花にピントをあてて、雰囲気を出す 中:モチーフやデザインを主役に 右:戀愛巷から見るファサード(地図❷)

左:明るい緑の建物をバックに、手前の蓮の花にピントをあてて、雰囲気を出す
中:モチーフやデザインを主役に
右:戀愛巷から見るファサード(地図❷)

撮影する時間帯にこだわって再び訪れたい場所

お気に入りのスポットを見つけたら、時間帯を変えて、再度、その場所へ。陽光の加減や往来する人々などにより、異なった趣の写真が撮れる。

例に挙げるのは、カテドラル広場。16世紀後半、日本や近隣の国々を含むマカオ教区が設立され、その活動の中枢部であったカテドラル。1576年に建てられて以来、台風によって崩壊したこともあるが、1937年に再建され、多くの信者によって支えられてきた。現在も、日曜日には広東語、ポルトガル語、英語でミサが執り行われている。

カテドラル前の広場は、ポルトガル伝来の石畳が敷き詰められている。そして大航海時代の名残であるタツノオトシゴを配した噴水、石の十字架、その奥には中国風の家屋。東洋と西洋がコンパクトに集まったマカオらしい広場だ。普段は観光客が行き来し、格好の写真スポットとなっているが、早朝の時間帯は住人たちの憩いの場となる。朝からシャボン玉で遊んでいる子供と老婆の姿は、観光地とは異なる別の顔を見せてくれた。そんな情景もこの時間帯ならでは。

ちなみに、カテドラルに向かって左手にある司教館には、天主教芸術博物館に展示されている「長崎26聖人殉教図」のオリジナルが保管されている。また教区内全てのカトリック行事を管轄しており、アジア各国への伝道使節団を派遣している。今も昔も変わらず、マカオのカトリックのもっとも権威ある公署だ。

カテドラル広場。アズレージョの壁、十字の石碑、中国風の黄色い家が、一枚にうまく収まるように撮る

カテドラル広場。アズレージョの壁、十字の石碑、中国風の黄色い家が、一枚にうまく収まるように撮る

マカオを撮るためのヒント

マカオは日本と比べると陽射しが強く、そのうえ石畳の道が多いので、オート機能で撮影すると石畳が反射板のようになり、色が飛んでしまう写真になることが多々ある。これはカメラ自体がそのように判断してしまうので致し方ない。そんな時に役立つのが、大抵のデジタルカメラに搭載されている露出補正という機能だ。
使い方は簡単。まず一枚撮ってみる。結果が、明るく撮れたならば露出をマイナス側に、暗く撮れたならば露出をプラス側に調整するだけだ。

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