花のマカオ 香るマカオ


ポルトガル統治時代の面影を残すタイパ・ハウス前の蓮。ペパーミント・グリーンの建物と濃いピンクの花の取り合わせは、「マカオ・ロータス・フラワー・フェスティバル」(6月)の時期に見頃を迎える。

ポルトガル統治時代の面影を残すタイパ・ハウス前の蓮。ペパーミント・グリーンの建物と濃いピンクの花の取り合わせは、「マカオ・ロータス・フラワー・フェスティバル」(6月)の時期に見頃を迎える。

蓮をはじめ、さまざまな花に彩られる初夏のマカオ。花の香りとともにスパイスの香りもマカオの魅力を際立たせる。
Colored with various flowers in early summer, Macao is filled with fragrances of flowers and spices.

Blooming Macao,Fragrant Macao

「蓮の花の島」マカオ

舗道沿いに植えられた花。南国の強い陽ざしに、鮮やかな黄色が映える。マカオの街は花で彩られる。

舗道沿いに植えられた花。南国の強い陽ざしに、鮮やかな黄色が映える。マカオの街は花で彩られる。

マカオの象徴でもある蓮、南国の日差しに映えるブーゲンビリア、仏教寺院に供えられている素朴な菊…。春から初夏のマカオには、さまざまな花が咲き、花にまつわる祭りも開かれる。そして、花の香りと競うようにお茶やスパイスの香りも街のいたるところで濃く漂い、異国情緒を醸し出している。

初夏のマカオを彩る花の中でも、特別な存在が「蓮」だ。かつてマカオは、「蓮花島」「蓮花州」と呼ばれていた。埋め立てが進む前の半島の形が蓮の形に似ていたからとも、もともと蓮が群生していたからともいわれる。1999年12月、ポルトガルから返還され発足したマカオ特別行政区の区旗に描かれているのも、蓮の花だ。また、返還を記念して中華人民共和国国務院から贈られたのが盛世蓮花広場の金色の蓮のオブジェ「盛世蓮花」。光を浴びて黄金に輝く蓮の花は、永遠に続くマカオの繁栄を象徴しているという。

一方、商店や民家の窓辺には、色とりどりの鉢植えが飾られている。窓際に置かれた花に水をやっていた女性は、「生花は縁起がいいといわれています。花を飾るのは、福を呼び込むためには大切なことなのですよ」と教えてくれた。

大航海時代の船乗りたちが運んだスパイス

「ウィン・パレス」のチューリップのオブジェ。マカオのIRで花の装飾を見るのも楽しい。

「ウィン・パレス」のチューリップのオブジェ。マカオのIRで花の装飾を見るのも楽しい。

馥郁(ふくいく)たる花の香りとともにマカオの魅力となっているのが、お茶やスパイスの香りだ。オールド中国の雰囲気が漂う下町を歩くと、中国茶を売る専門店も多い。漢方薬を思わせる香りのお茶から香気漂う上品なお茶まで、マカオのお茶文化の奥深さが感じられる。「飲茶」は文字通り、お茶を楽しむ習慣。

朝から開いている食堂では、家族や親しい人たちと卓を囲み、たっぷりのお茶と蒸したてで湯気の上がる点心を楽しむ。湯気とお茶の香りと人々の笑顔は、マカオの暮らしの一コマだ。また、マカオ料理に欠かせないスパイスの香りもマカオらしさのひとつだ。17世紀初め、イベリア半島から東へ東へと大航海を続けたポルトガルの船乗りや商人たち。彼らがマカオに運んできたアフリカやインド、マレー半島の味が「アフリカン・チキン」や「ミンチィ」といったマカオ料理となって地元に根付いている。

「スパイスたっぷりの味は”マカオのお母さんの味“なんですよ。各家庭によっても、お店によっても味が違う。食べ歩きも面白いですよ」と地元の青年は語る。

また、この時期は、「水の民」であるマカオの人々の真骨頂ともいえる祭りも多い。「ドラゴンボート・フェスティバル」、海の神に捧げる「天后節」、漁民たちの奇祭「酔龍祭」など多彩に繰り広げられる。”水の祭り“とともに、マカオの夏は始まる。

マカオの下町に漂う中国茶の香り。お茶専門店や飲茶の店には、産地や味わい、香りもさまざまな中国茶の缶がずらりと並ぶ。

マカオの下町に漂う中国茶の香り。お茶専門店や飲茶の店には、産地や味わい、香りもさまざまな中国茶の缶がずらりと並ぶ。