食べたいものいろいろ!マカオの朝ごはん、はしごのススメ


Delectable Choices for the Morning Start in Macau

多彩な顔をもつマカオは、朝ごはんもバラエティ豊か。ホテルのブッフェも外せないけれど、街角のパン屋さん、中国風やマカオ風の喫茶店、ポルトガルスタイルのカフェなどで、庶民の味を楽しむのも旅の醍醐味。地元民と一緒になって朝食を楽しめば、素顔のマカオが見えてくるはず。

◆ 旅先ならではのホテルの朝
Hotels Usher a New Day

優雅なカフェ・ベラヴィスタ

優雅なカフェ・ベラヴィスタ

世界的なホテルが名を連ねる土地柄、それぞれのホテルは朝食にも独自のアイデアを打ち出している。毎日違うホテルに行って、各ホテルの個性ある朝食を体験してみよう。
例えば、往時の名門ホテルであるホテル・ベラヴィスタの雰囲気をそのまま受け継いだグランド・ラパの「カフェ・ベラヴィスタ」。高い天井にはシーリングファン、白を基調とした店内にモザイクの床、庭の緑を望む大きな窓。朝食はブッフェやお粥のセット、パンケーキも用意。いにしえの雰囲気のなか、朝食をじっくり味わいたい。
ランドマーク的存在のグランド・リスボアは、カジノだけでなく、ミシュランの星を獲得したレストランが集うグルメスポットとしても有名。最高級ホテルでありながら、手頃な値段で朝食を楽しめる。自家製パンでオーダーメイドのサンドイッチを作ってくれる「クリスタルラウンジ&デリ」、刀削麺とお粥の店「粥麺荘」など。その日の気分で、朝食を求めてグランド・リスボアを訪れる価値は十分にある。

「観光客に伝えたい!」 地元で愛されているパンも

右:椰絲包(ココナッツパン) 左:バンヤンツリー・マカオにある「サフロン」の朝食

右:椰絲包(ココナッツパン)
左:バンヤンツリー・マカオにある「サフロン」の朝食

コタイのバンヤンツリー・マカオ内にある「サフロン」では、本格的なアジア諸国の料理の数々や、美しく陳列されたパンの種類の多さに目を見張る。そこにはいくつか見慣れないパンも並んでいる。「これはココナッツパン(椰絲包)、これはパイナップルパン(菠蘿包)です。観光客の方々に、少しでもマカオの文化に触れていただきたいので、地元に根ざしているパンも提供しています」。そう語るのはサフロンの女性シェフ、ジンナさん。
さらに他のホテルと一線を画すのが、絞り立ての生ジュースがずらりと並んだ横に、クーラーにさりげなく入ったスパークリング・ワイン。朝から粋なおもてなしだ。

◆ 下町情緒たっぷりのモーニング
Downtown Awakens With Life

「黄枝記粥麺店」の鮮蝦雲呑麺

焼きたてパンが次々と店頭に並ぶ

マカオ観光の拠点セナド広場でパンを片手に一日のプランを

中国の文化圏は、家で朝ごはんを食べる習慣はあまりなく、市場や屋台で麺類などを食べて簡単に済ますことが多い。マカオにも、同様の朝ごはんが食べられる屋台や市場内のフードコートがある。しかしポルトガル文化の影響からパンを食べる習慣もあるので、パンを朝食にする人々も多いようだ。
セナド広場からほど近い「金カ ム馬マ ー輪ロ ン咖ガー啡フェー餅ベ ン店ディム」は、1976年創業の、地元の人々に愛されるベーカリー。朝7時のオープンと同時に、パンを買う客で店はあふれている。
店頭に陳列されているパンは、前述のサフロンのシェフの言葉通り、ココナッツパンをはじめとする、さまざまなローカルパンが並んでいる。店主は忙しそうにパンを運びながら「少し時間がかかるけど、うちのポークチョップ・バーガーは最高だよ」。とすすめてくれた。ポークソテーをパンに挟んだシンプルな見た目だが、肉にしっかりと味が染みていて美味。焼きたてのパンを頬張りながら、セナド広場で地図を広げて観光プランを練ってみるのも良い。

下町の空気が漂う店では昔ながらのお粥や麺を

セナド広場に面した、黄色いコロニアル建築の中に店を構える「黄ウォン枝チ ー記ケ イ粥チョッ麺ミ ン店ディム」は、1946年創業。観光客も多い人気店だ。看板メニューの鮮シーン蝦ハー雲ワ ン呑タ ン麺ミーンは、竹で打つ昔ながらの特製の竹チョク昇セ ン麺ミ ンにスープが絡み、海老が丸ごと包まれているワンタンとの相性も絶妙の逸品。また粥専門店「盛セ ン記ケイ白パ ァ粥チョッ」では、定番の朝食メニュー、お粥と揚げパンを。じっくり丁寧に炊かれる粥はとろりとしてコクがあり、とうてい自宅では真似できない美味しさだ。
また地元の人々で混み合っているのが、十月初五街に店舗を構える「好コ ウ景ケ イ嘉カ ー華ワ ー茶チャー居コ イ」。窓越しに見える店員が、次々と点心を蒸してゆく姿、小気味良い包丁の音、蒸し上がる点心の匂い、そのどれもが下町らしい朝の雰囲気を放っている。

左から:つい色々と注文したくなる点心  朝から忙しい「好景嘉華茶居」  お粥と揚げパンのセットは定番の朝食  「黄枝記粥麺店」の鮮蝦雲呑麺

左から:・つい色々と注文したくなる点心  ・朝から忙しい「好景嘉華茶居」  ・お粥と揚げパンのセットは定番の朝食  ・「黄枝記粥麺店」の鮮蝦雲呑麺


地元の人々に交じって楽しむ意外な朝食メニュー

右:地元の人々に人気の「出前一丁」 左:ふわっとした食感の沙翁(サーヨン

右:地元の人々に人気の「出前一丁」
左:ふわっとした食感の沙翁(サーヨン)

十月初五街では、昔から受け継がれてきた懐かしい味ばかりでなく、意外な朝食に出合うことができる。そのひとつが茶チャー餐チャーン廳テーン「南ナ ン屏ピ ン雅ンガー叙チョイ」の朝食だ。ここは、地元の人々で混雑しているマカオ風の喫茶店。人気メニューは、なんと、ポークと目玉焼きがのった「出前一丁」のインスタントラーメン!そしてマカロニスープだ。気がつけば、店内にいるほとんどの客がいずれかをすすっている。朝の忙しい時間帯に、素早く食べられるのが良いのだそうだ。まさか日本の出前一丁がここで食べられるとは。
他にも、厚焼き卵をはさんだサンドイッチをはじめ、焼きたてのパンを買いに来る客で賑わっている。特に、ふかふかに膨らんだ揚げシュー風のパン「沙サ ー翁ヨ ン」は美味しいと評判だ。一説では、ポルトガルの揚げ菓子「ソーニョス」が原形となっているといわれている。沖縄の揚げ菓子サーターアンダギーのようなごつごつした外見とは裏腹に、中はふんわりとしていて、二つ三つと食べたくなる。

◆ 街カフェで感じるマカオらしい朝
Cafes Exude the Spirit of Macau

ポルトガル人オーナーのカフェ

ポルトガル人オーナーのカフェ

セナド広場と南灣大馬路の間、表通りには面していないものの、朝からポルトガル語が飛び交い、欧米人でにぎわいをみせるカフェがある。
大航海時代に活躍した三角帆のカラベラ船と同じ名前を持つ「カラベラ」だ。出勤前のビジネスマンが次々と訪れ、ビカ(ポルトガル語でエスプレッソの意)と大きめのクロワッサンで簡単な朝食を取っている姿を目にする。そんな、ヨーロッパの街角を彷彿とさせるシーンが、街の風景にさりげなく溶け込んでいるところが実にマカオらしい。
店内に陳列されたパンやメニューから、食べたい物を指差しするだけで席まで運んできてくれるので、言葉の心配も要らない。地元の人々に混じって、カフェテラスで過ごす朝のひとときは、マカオで暮らしている気分がちょっぴり味わえるだろう。

滞在中、一度は食べておきたい焼きたてのエッグタルト

カフェ・イ・ナタではエッグタルトを

カフェ・イ・ナタではエッグタルトを

カラベラと目と鼻の先にある「マーガレット・カフェ・イ・ナタ」は、朝のオープンとともに店の外まで人が溢れる人気店。お目当ては、マカオの名物であるエッグタルト。朝一番に焼き上がるエッグタルトは、手に持つと崩れてしまうほど繊細。香ばしいパイ生地とカスタードクリームが口の中で混ざり合う美味しさは、朝早くから訪れる人の多さが証明している。

その他、ショーケースから好みの具材を選んで、その場で作ってくれるサンドイッチも評判だ。白パン、黒パン、胚芽パンなど、食パンの種類だけでも複数ある。具材はハムや卵といった日本でもよく見るもののほか、カレー風味のものや魚の練り物をマヨネーズで和えたものがあるところも面白い。こちらは観光客が多いのが特徴で、前述のカラベラとは対照的だ。しかし、どちらもマカオで培われた歴史を今に反影するカフェであり、朝の風物詩ともいえるマカオの一コマだ。

 

街歩きの間にほっと一息。カフェ事情
&Coffee

マカオ女子に人気の「Eiffey」

マカオ女子に人気の「Eiffey」

現在のブラジルやインドネシアを植民地としていた、大航海時代のポルトガル。そんな歴史もあって、現在のマカオのコーヒー文化は多彩だ。
例えば、ポルトガル領事館前に店を構える「LVSITANVS(ルジタヌシュ)」。マカエンセが経営する、本場ポルトガルと同じスタイルのコーヒーや料理を提供するカフェだ。静かに本や新聞を読みふけるマカエンセの憩いの場でもある。時折聞こえてくるポルトガル語での会話も心地よい。マカエンセ・アーティストの作品やポルトガルワインなどのギフトショップも併設されている。おみやげ探しも兼ねて、気軽に立ち寄れるカフェだ。
ポルトガルでは、ひとえにコーヒーといっても、器の大きさや牛乳の量の違いによって10種以上の呼び方がある。ポルトガルスタイルのカフェでよく見かける「ガラオン」は、ビカと呼ばれるエスプレッソに泡立てた牛乳をたっぷり注いでつくる、カフェラテに近い飲み物。背の高いガラスのコップで提供される。

東洋風のカフェも見逃せない

中国のお茶文化とヨーロッパのコーヒー文化が出合った「鴛ユ ン鴦ヨ ン茶チ ャ」も見逃せない。コーヒーとミルクティーを混ぜたもので、ここマカオでも昔から親しまれている。茶葉の渋みとコーヒーの酸味、エバミルクの甘みが相まって不思議な味。クセになる人も多い。
そんな東洋と西洋がミックスされた鴛鴦茶は、ギャラクシー・マカオ内にある「翠チョイ華ワ ー餐チャン廳テ ン」やマカオのコーヒーチェーン店「檀タ ン香ヒョン山サ ン咖ガ ー啡フェー」で、旅行者でも気軽に飲める。

世界的なカフェブームに乗って

グラスで飲むポルトガルコーヒーのガラオン

グラスで飲むポルトガルコーヒーのガラオン

ロウリムイオック庭園近くに2012年にオープンした「Eiff ey(エフィー)」はマカオ女子に人気のカフェ。マカオ女子の一人でもあるオーナーが各国を旅して集めたキッチュなインテリアや、プレゼンテーションに凝ったカフェメニューが人気を呼んでいる。フルーツたっぷりのワッフル、アルデンテのパスタやタイカレーなど、どれも500円程度で食べられる。ランチタイムは行列になることもしばしば。
また街の中心であるセナド広場付近の小径「板樟堂巷」には、カフェが多く立ち並んでいることから、「カフェ通り」とも呼ばれている。歩けばあっという間に過ぎてしまう道の両側にはおしゃれなカフェが集う。
ほかにも、世界一高いコーヒーといわれるコピ・ルアックが飲めるカフェや、テイクアウト専門店にも関わらず、一杯一杯サイフォンで丁寧に淹れてくれるユニークなカフェなども。
街歩きが楽しいマカオでは、カフェを利用する機会も多い。ローカル系からこだわり系まで、色々なカフェでマカオの日常を覗いてみたい。

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