“バスの達人”になれば、街歩きはもっと楽しい


By Mastering the Bus,Exploring the Town is More Fun

目線の高さが楽しいオープントップバスopentop

海上に突き出た橋の突端ある、観音蓮花苑の観音像。中は2階建てで、仏教関連の展示物が見られる。

海上に突き出た橋の突端ある、観音蓮花苑の観音像。中は2階建てで、仏教関連の展示物が見られる。

見るからに楽しそうな屋根のない赤い2階建てバス。ゴールドスパークマカオツアーズ社(金亮澳門旅運有限公司)が運行するオープントップバスだ。

観光に特化し、座席は2階席のみ。マカオ・フェリーターミナル前から出発し、再開発が進むフィッシャーマンズ・ワーフ、高さ20メートルの観音像がある観音蓮花苑、マカオ半島の最南端に位置するマカオタワー、世界遺産の中でも一番人気の媽閣廟、コタイのIR群などを1周約90分で巡回。1日乗車券(日中のみ)で、出発地点を含む計11ヶ所を何度でも乗り降りできる。観光と移動の一挙両得なのだ。

休暇で友人と一緒にマカオを旅したという日本人女性は、「ちょっと歩くだけで汗だくになる真夏のマカオで、オープントップバスの存在はありがたかったです。初めて行く場所って、つい上ばかり見て歩いてしまうけれど、マカオは高層ビルが密集しているから、首が疲れる(笑)。でも、屋根のないバスの2階席は見通し最高。一般の路線バスに2階建てバスはないので、視界を遮るものはありませんし、風も気持ちよくて、リラックスしながら移動できました。徒歩では行き来しにくい観光地も制覇できて大満足」と笑う。

「このバスのお陰でなんとなくの土地勘はついたので、次回は路線バスで、”ディープ・マカオ“を攻めてみたい。マカオはやっぱり、バス移動が便利ですよ」と、深く頷いていた。

夜景を満喫!手軽で楽しいナイトツアー

マカオの地名の由来とも言われ、マカオに数ある世界遺産のなかで最も人気の高い媽閣廟。市民はもとより大勢の観光客で賑わっている。

マカオの地名の由来とも言われ、マカオに数ある世界遺産のなかで最も人気の高い媽閣廟。市民はもとより大勢の観光客で賑わっている。

このオープントップバスで行く「ナイトツアー」は、アクティビティとしても人気。マカオ・フェリーターミナルを19時ごろ出発、ライトアップされた主要観光スポットや、IRが林立するコタイ地区などを約45分かけてめぐる、夜のマカオを満喫するツアーだ。マカオ・フェリーターミナルまで、各IRの無料シャトルバスでも行くことができる。

2階の座席から見る夜のマカオは、昼間とは違った表情だ。例えば、マカオのカジノホテルの先駆である「ホテル・リスボア」界隈は、沢木耕太郎の紀行小説「深夜特急」を彷彿とさせるノルタルジックな眺め。極彩色の煌めくネオンに、東洋的な風情と歴史を感じる。一方、コタイ地区のIR群は、最先端のエンターテインメント施設だけあって近未来的。故ザハ・ハディド氏が手がけたホテル「モーフィアス」を擁するシティ・オブ・ドリームズ、ハリウッド映画の世界から抜け出てきたようなスタジオ・シティ、2分の1スケールのエッフェル塔が美しいパリジャン・マカオなど、絶好の撮影スポットが続く。

昨年、家族で利用したという男性は、「最初は、『今さら2階建て観光バスなんて』と思っていましたが、とんでもない。とてもエキサイティングなツアーでした」と語る。

「マカオの夜は、光があふれている。これだけの夜景を個人で見て回るのは大変なので、このバスは便利です。子どもたちも相当楽しかったみたいで、また行きたいとねだられています」と苦笑気味だ。

現地ガイドの女性は、「乗っているだけで、マカオの街の多様性が感じられます。マカオでは毎年のように新しいIRが誕生しているので、リピーターの方の利用も多いですよ。人気の撮影スポットでは少し長く停車してくれますし、ウィン・マカオ名物の噴水ショー(パフォーマンス・レイク)は、時間に合わせて目の前に車をつけてくれます。おすすめの座席は、後方の左側。マカオは日本と同じ左側通行なので、左側のほうが景色が見やすいのです。これからの季節は肌寒いこともあるので、羽織るものを1枚用意していくといいですよ」と、教えてくれた。

コタイの巨大IR ギャラクシー・マカオ。世界最長クラスの流れるプールや、エンタメ& グルメを満喫できるブロードウェイ・マカオを擁し、幅広い客層に対応。

コタイの巨大IR ギャラクシー・マカオ。世界最長クラスの流れるプールや、エンタメ& グルメを満喫できるブロードウェイ・マカオを擁し、幅広い客層に対応。

 

オープントップバスDATA

★ 運行スケジュール/マカオ・フェリーターミナル前から出発。日中は9 時30 分発~ 16 時15 分発、ほぼ45分間隔で全10本、ナイトツアーは19 時発。

★ ルート/マカオ半島からコタイの観光スポットをめぐる1 周約90 分のルート(マカオ半島のみ運行する便もあるので要確認)。出発地点を含む全11箇所で何度でも乗り降りできる。ナイトツアーはマカオ半島からコタイのIR群をめぐる約45 分のルート。ピックアップはマカオ・フェリーターミナルで、解散は通常コタイ地区のザ・ヴェネチアン・マカオ前(マカオ半島に宿泊している場合は、そのまま乗車して、マカオ・フェリーターミナルまで戻ることも可)。

★ 停留所/停留所には目印がないので、降りた場所を覚えておくか下記ウェブサイトで確認を。写真付きでわかりやすいバス停地図がある。

★ チケットの購入/マカオ・フェリーターミナル内の同社カウンターで購入。時間になるとスタッフが来てバスまで連れて行ってくれる。旅行会社あるいは下記ウェブサイトから事前予約しておくのがベター。

★ 料金/日中の1日乗車券、ナイトツアーともに150 香港ドル。

★ ウェブサイトゴールドスパークマカオツアーズ

 

街中に張り巡らされた60のバス路線M95

ザ・パリジャン・マカオのエッフェル塔はオープントップバスのナイトツアーでも見どころのひとつ。

ザ・パリジャン・マカオのエッフェル塔はオープントップバスのナイトツアーでも見どころのひとつ。

マカオ半島、タイパ、コタイ、コロアン間は、合計60路線ものバス便が網羅。路線によってはかなり細い通りや路地を通ったりもする、マカオ市民の生活に欠かせない交通手段だ。

現在、「新福利」「澳巴」という2つのバス会社が路線バスを運営していて、車両は小型から大型までいろいろ。運賃は一律6パタカ(約84円)と、わかりやすい点も魅力だ。おつりは出ないので小銭の用意がやや面倒だが、コンビニなどで「マカオパス」(日本のSuicaやPASMOなどと同様のICカード)を買っておけば、心配ご無用。しかも、ICを使えば、3パタカで乗車できる。

乗り方は、東京の都バスや私鉄系バスなどと同じく、①前から乗って、②料金を払い、③降りたい停留所の手前にきたら降車ボタンを押して知らせ、④降車口(中国語とポルトガル語で「落/SAIDA」と書かれている)から降りる。最近では、停留所の車内アナウンス(主に広東語、ポルトガル語)があるバスや、電光掲示板があるバスも多くなっているが、車内が混んでいるときは聞き取れなかったり見えなかったりもするので、可能なら事前に路線図を確認しておくといい。

本数は多いもので約4分間隔、少ないものでも20分間隔くらい。地元企業に務める女性が、「目当てのバスが来たら手を挙げて、『乗ります』って意思表示するのが基本です。ひとつのバス停にいくつもの路線が乗り入れているので、立っているだけでは停まってくれません(笑)。朝夕の通勤時間は混雑していて、乗れないこともありますが、すぐに次がくるから大丈夫」と、教えてくれた。

観光で乗るコツ

コロアン市場近くの「ロード・ストウズ・ベーカリー」の焼き立てエッグタルトは必食。

コロアン市場近くの「ロード・ストウズ・ベーカリー」の焼き立てエッグタルトは必食。

まずは3大ターミナルを覚えておこう。
①マカオ半島のホテル・リスボア前の「アマラル広場(停留所番号M172)」、
②媽閣廟前の「バラ・ターミナル(M3)」、
③タイパ地区にあるマカオの入り口「タイパ・フェリーターミナル(「T345」)だ。

特に①は、全60路線のうち、42路線が乗り入れる一大ターミナル。ここからバスに乗れば、マカオ半島からタイパ、コタイ、コロアンまで、ほとんどの観光地(あるいはその近く)まで行けるといっても過言ではない。

次に覚えておきたいのが、観光に便利な路線ナンバー。「1」「1A」といった具合に、数字あるいは数字とアルファベットの組み合わせで表示されている。

26番は便利な路線

Macao tower例えば、マカオ半島北部からコロアンまでを縦断・往復する「26 」は、マカオ半島北部のパタネ北街/ファイチーケイ北灣(往路と復路で停留所名が異なる)から、媽閣廟、橋を渡ってタイパ・フェリーターミナルとマカオ国際空港、コタイのIRサンズ・コタイセントラル、マカオパンダ館のある石排灣郊野公園などを通り、コロアン市場(エッグタルトで有名なロード・ストウズ・ベーカリーの前)で折り返し。コタイのIRスタジオシティ・マカオや、マカオタワー、セナド広場など観光の中心地に近い内港のポンテ16、カモンエス公園、市民の台所である紅街市を通って、パタネ北街/ファイチーケイ北灣に戻る。

このほか、マカオ半島北部からコロアンの黒沙海灘(ハクサビーチ)を往復する「26A」も、「26」に近いルートを通るし、マカオ半島の北部から、南部の急な坂を走る「9」、マカオ半島の北部とマカオタワーの間を循環する「32」も旅行者にとって便利な路線。目的地が決まっているなら、ホテルのコンシェルジュなどに、どのバスに乗れば効率よく回れるか聞いてみるのも一案だ。

地元で働く日本人女性は、「もし乗るバスを間違えても、歩いて戻ればいいや、くらいの気持ちで利用してみるといいですよ。巡回バスならそのまま乗っていればぐるっと回って帰ってこられるし、とりあえずアマラル広場などの大きなバスターミナルで降りて、目的のバスに乗り換えてもいい。私自身、バスのおかげで、マカオ全体の土地勘を掴むことができました。今ではバスがない生活なんて考えられません」と、楽しそうに笑った。

 

マカオの路線バスの乗り方POINT

ひとつのバス停に複数の路線が乗り入れる=バス停には掲示板か円筒形で回転式の路線案内図がある。目的のバスが来たら手を挙げると止まってくれる(満員で止まってくれないときもある)。

巡回線、往路、復路がある=バス停にある路線案内図の矢印方向に進むので、目的地を通るかどうか確認を。往路と復路では、バス停の名前が違うこともある。

本数が多いので乗り遅れても大丈夫=運転間隔は4 ~ 20 分ぐらい。

主な路線は深夜0時近くまで動いている=時刻表で確認を

前から乗り、前払い、後ろから降りる=東京の都バスなどと同じシステム

料金は一律6パタカでお釣りは出ない。IC のカードのマカオパス利用が便利 =マカオパスの購入料金は130 パタカ(うち30パタカは発行手数料。返金不可)。1回のチャージ額は最高300 パタカまで。購入場所は、澳門通新口岸世貿客戸服務中心のほか、來來超級市場、宏基超級市場などのスーパーや、OK便利店、セブン- イレブンなどのコンビニなどでも購入、チャージできる。

停留所のアナウンスはあるが聞こえないこともある=バスによっては次の停留所名を表示する電光掲示板もある。

降りるときは降車ボタンを押しベルを鳴らす=混んでいるときは日本語でもいいので、「降ります!」と声をあげながら急ぐべし。

道は基本的に混んでいる。朝夕は特に混む=時間に余裕をもって移動しよう

 

\これ便利!/

【路線バスアプリ「巴士報站」】

マカオの路線バスについては、マカオ交通事務局のウェブサイト/公共バス情報ステーション(www.dsat.gov.mo/bus/site/bus_service.aspx)に詳しい。路線バスを乗りこなすのに便利な無料アプリ「巴士報站」もQRコードからダウンロードできるので、行く前に準備しておくと安心だ。表示は中国語とポルトガル語だが、どちらもわからなくても、こうしたアプリに慣れた人なら感覚的に使える。路線番号をタップすれば、停留所、路線図が一目瞭然。目的地に行くにはどの路線を使えばいいか、そのバスが今どこを走っているかもわかる。また、路線番号入りの地図は、マカオ政府観光局のインフォメーションカウンターで手に入る。