独特の行事やお祭りが満載街はいっそう国際色豊かに
一年を通じて国際的なイベントが、目白押しのマカオ。参加者も観客も世界中から集うとあって、イベント開催時期の街は賑やかに。世界遺産スポットや趣のある路地を会場に、見逃せないイベントが満載だ。
EVENT | 第27回マカオ芸術祭 4月30日(土)~5月29日(日) |
世界遺産の建物も舞台に!日本のアーティストも参加
毎年、初夏に開催される同芸術祭は、世界中の国と地域からアーティストらが参加する。今年は地元マカオや中国に加え、アメリカ、フランス、スイス、日本などから参加。西洋音楽、中国音楽と演劇、広東オペラ、マカオの演劇など、多彩なパフォーマンスが1カ月にわたって行われる。
主な演目はシェイクスピア・シアター・カンパニー(アメリカ)による「真夏の夜の夢」、サブロウ・テシガワラ&リホコ・サトウ(日本)による「オブセッション」、チュ・チャン・ワ&マカオ広東オペラアクターズによる「ザ・レジェンド・オブ・ザ・パープル・ヘアピン(愛と憎しみを表す伝統的な広東オペラ)」など。
世界遺産が舞台になるというのが、マカオならではの醍醐味だ。
最新の演目や開催時間、開催場所についてはマカオ文化局のサイト(中国語・英語)で確認を。
http://www.icm.gov.mo/fam/
EVENT | ドラゴンボート・レース 6月4日(土)・5日(日)・9日(木) |
年々注目度が高まるレース国内外から多くのアスリートが参加
龍をかたどったボートに、漕ぎ手、太鼓を叩いてリズムをとる太鼓手、舵取り手が乗り込み、太鼓の音に合わせて力いっぱい漕ぎ、タイムを競うコンテスト。
ドラゴンボートの起源は諸説あるが、有力なのは屈くつげん原のエピソード。楚の国の政治家であった屈原が、国に抗議する意味を込めて入水自殺。その際、屈原が龍や魚に襲われないよう、漁民たちがドラや太鼓を打ち鳴らしたり、蒸した米を竹筒に詰めて水中の屈原に差し入れたりした。以来、屈原が入水した旧暦5月5日の端午節に、屈原を偲ぶためにレースが行われるようになった。
ちなみに、日本の端午の節句にちまきを食べるのも、これが起源となっているといわれている。
参加チームや試合時間の詳細は、政府体育発展局のサイト(中国語・ポルトガル語・英語)で確認を。
http://www.sport.gov.mo/en/sites/dragonboat_sp
世界遺産めぐり | カモンエス広場/カーザ庭園/プロテスタント墓地 |
西洋の歴史とキリスト教が生んだ
今も昔も、マカオに住む人々を癒す場所
「ここに地果て、海始まる」の一説が有名な叙事詩「ウズ・ルジアダス」の作者、ルイス・カモンエス。ホメロスやダンテに並ぶ、ポルトガルを代表するルネサンス詩人で、マカオに数年間滞在していたという記録がある。氏の名を冠した広場と、隣接するカーザ庭園、プロテスタント墓地が世界遺産に登録されており、カモンエス広場を含め、地元の人々に交じって、ゆっくりと過ごしたい一画となっている。
都会の喧騒から離れて地元の人々と過ごす癒しの場
聖ポール天主堂跡の脇にある狭い路地から、花王堂街をまっすぐ進めば、正面にロータリーが現れる。その向こうが、目指す一画となる。カモンエス公園では、中国将棋や太極拳を楽しむ地元の人々、竹籠に入った小鳥を持ち寄っておしゃべりをしている老人たちなどと出会う。マカオの日常生活のワンシーン、なかでも癒しのひとときを垣間見ることができる。カモンエス公園には自然の洞窟があり、そのなかにカモンエスの胸像が置かれている。また公園の奥には噴水があり、その周りの地面には「ウズ・ルジアダス」の10の詩をテーマにした10枚のモザイクの絵が、カルサーダスで描かれている。
ちなみにポルトガルのリスボンにも氏の名前を冠した広場がある。広場の中央には氏の像があり、多くの文学者の像を従えている。そしてその広場の地面の白と黒のモザイクも、「ウズ・ルジアダス」をテーマに描かれたものだ。
イギリス東インド会社の歴史が遺した洋風建築物と墓地
18世紀後半、この一画は、マカオの有名なポルトガル人資産家マヌエル・ペレイラ氏の邸宅の一部だった。
19世紀初頭になると、マカオは西洋人が居留できる中国で唯一の場所となったため、イギリス東インド会社がここに船荷監督を行う本部を建てた。同社は中国茶の輸出を中心に活動していたが、1800年前後にはアヘンの密輸が大半を占めるようになり、1840年のアヘン戦争から、貿易の舞台は香港へと移った。後に本部として使われていた建物は博物館となり、現在は、東方基金会という財団のマカオ本部となっている。
隣接するプロテスタント墓地も、イギリス東インド会社によって造られたもの。それまではカトリック信者しかいなかったため、マカオにおける最初のプロテスタントコミュニティーの設立ともいえる。墓地にはイギリス人画家ジョージ・チナリーやチャーチル英国元首相の祖先、東インド会社の高官、アメリカやイギリスのプロテスタント信者らが眠っている。
また1821年に建立されたチャペルは、伝道師ロバート・モリソンを記念した「モリソン礼拝堂」として存在し、今でも礼拝が行われている。
●カモンエス広場
[オープン時間] 6:00~22:00
●カーザ庭園
[オープン時間]
◎ ギャラリー 9:30~18:00 (土日祝祭日は休館)
◎ 庭園 9:30~18:00
●プロテスタント墓地 ※一般の撮影禁止
[オープン時間] 9:30~17:30
※入園料はいずれも無料