All year round, Macao is filled with plentiful festivals
Macao International Fireworks Display Contest /マカオ国際花火コンテスト

「マカオ国際花火コンテスト」は、毎年9月の週末を中心に約1か月にわたって開催。ドイツのハノーファー、カナダのモントリオールと並ぶ世界三大花火コンテストのひとつだ。かつてマカオで盛んだった火薬産業の保護と伝承のために1989年から始まり、2019年に30回目を迎えた。これまでに100以上の国や地域のチームが参加している。
国際的に注目を集めるビッグイベント
マカオの1年はさまざまな祭りやイベントに彩られる。ポルトガル、中国、そして近未来的な現代の3つの要素が入りまじり、マカオ半島からタイパ、コタイ、コロアンまで、街角を曲がるたびに、さまざまな祭りの雰囲気を、あらゆる季節に感じることができる。
マカオっ子が楽しみにしている国際的なイベントといえば、夏の最後を飾るビッグイベント、「マカオ国際花火コンテスト」(9〜10月)。世界三大花火コンテストのひとつに数えられ、世界各国から著名な花火チームが参加し、壮麗な花火ショーが展開される。 もうひとつ、マカオの代名詞ともなっている国際的なイベントが、過去66回の歴史を誇るモータースポーツの祭典「マカオ・グランプリ」( 11月)。
F1のモナコ・グランプリと並び称される公道レースの最高峰を味わおうと、世界中からモータースポーツファンが集まる。スタート・ゴール地点のマカオ外港フェリーターミナル前から、海側の友誼大馬路を最高速で駆け抜け、ホテル・リスボア前の90度カーブ”リスボア・ベンド“へ突っ込んでいくのが最大の見どころ。耳をつんざく爆音と、目の前で繰り広げられる火花の散る接近戦に、血が湧き踊る。
Macau Grand Prix /マカオ・グランプリ
International Film Festival & Awards Macau /マカオ国際映画祭
Macao International Marathon /マカオ国際マラソン
Macao Light Festival /マカオ・ライト・フェスティバル
魔除けと招福を願う祭り
世界に類をみない、マカオの東西融合の歴史と文化を感じたければ、ぜひ新年のシーズンに訪れたい。
IR群を中心にしたクリスマスのお祝いから、年が改まると中華圏の人にとって最大のお祭り「春節」がやってくる。春節とは旧歴の正月のことで、2020年は1月25日。この時期のマカオの街は、赤と黄(金)の洪水。赤は縁起がよく魔除けの意味もあるとされ、黄(金)は金運の象徴と、中華圏で最もめでたい色とされる。、ポルトガル由来の建物にも赤と黄の提灯や垂れ幕が飾られ、お祝いの爆竹が盛んに鳴らされる。日本の中華街などでもおなじみのライオンダンスやドラゴンダンスのほか、マカオ内外から1000人を超えるパフォーマーが参加する春節パレードも行われ、イエズス会記念広場など主要な観光スポットを巡りながらパフォーマンスを展開する。
また、旧暦2月2日(2020年は2月25日)には、「土地誕」という、土地神様の誕生日を祝う伝統行事が行われる。マカオには、土地爺、土地公などと呼ばれる神様を祀る廟がいたるところにあり、近隣の住民や商店主が次々と参拝に訪れ、豚を焼いたり、もちを配ったり、ライオンダンスや広東オペラの奉納などが行われる。
Lunar New Year &Feast of Na Tcha / 旧正月&ナーチャ祭
Feast Of the Drunken Dragon /酔龍祭
Macao Lotus Flower Festival /マカオ・ロータス・フラワー・フェスティバル
Mid-Autumn Festival /中秋節
ポルトガルから伝わる荘厳な祭りと、漁民たちの水の祭り
一方で、ポルトガル人の伝統の色濃い祭りもある。1年で最初のカトリック行事として行われる「パッソス聖体行列」だ。
世界遺産に登録されている聖オーガスティン教会と大堂(カテドラル)という2つの教会の間を信者たちがキリスト像を掲げながら2日間にわたって往復する、マカオ独特のお祭りだ。紫のローブを身にまとった聖職者たちが、マカオ警察の楽団による物悲しい音楽に合わせて静々と行進するが、年によっては春節と重なることもあり、マカオが東西文化の交流点であることを実感する。2020年は2月29日、3月1日の土曜・日曜に開催される。
春から初夏を迎えると、水の祭りの季節。今や国際競技として日本でもおなじみになった「ドラゴンボートレース」は、そもそもは国を憂えて入水した古代の詩人、屈原を悼んで始まったとされ、旧暦の5月5日(2020年は6月25日)に行われる。
古くは漁業の町だったマカオ。この時期は、「酔龍祭」「譚公祭」( 旧暦4月8日、2020年は4月30日)といった漁民らしい祭りも行われる。「酔龍祭」は漁民組合が運営し、市の中心部にある世界遺産の三街会館(関帝廟)からスタート。男衆が龍の頭と尾を持ち、酒を飲ませ合い、踊りながら内港までを練り歩くマカオならではの奇祭だ。こうした中国らしいお祭りがある一方で、5月13日には、ポルトガルの小さな町ファティマに起こった聖母出現の奇跡を祝う宗教行事、「ファティマ聖母の行列」が、聖ドミニコ教会からペンニャ教会の間まで行われる。
ほかにも、美しい蓮の花が街を彩る「マカオ・ロータス・フラワー・フェスティバル」(6月)や、2019年に始まった街中が現代アートであふれる「アート・マカオ」(6〜10月)など、自然から現代アートまで、訪れる人を楽しませずにはおかない街なのだ。