マカオの人たちがとても身近になるギア灯台周辺


guia

Warm Experiences at the Guia Fortress

ギア灯台と並んで立つギア教会。1622年に建てられた小さな教会で、簡素な造りだが正面にはマリア像、壁面にはフレスコ画が残る。

ギア灯台と並んで立つギア教会。1622年に建てられた小さな教会で、簡素な造りだが正面にはマリア像、壁面にはフレスコ画が残る。

マカオ最古の 灯台へ世界一 短い空中散歩

港町マカオ。1865年に建造された中国最古の洋式灯台であるギア灯台は、マカオで最も高い標高92m にあるギアの丘に建っている。今も現役で、夜になると光の帯が海上に延びている。

灯台が建つ要塞は1638年頃、外敵からの攻撃に備えるために造られたもの。

ギア灯台から見たマカオ市街。グランド・リスボア・マカオの個性的な建物がひときわ目を引く

ギア灯台から見たマカオ市街。グランド・リスボア・マカオの個性的な建物がひときわ目を引く

ギア要塞、東望洋山(トンモンヨンサン)の山腹から山頂にかけて広がる松山市政公園(チョンサンシーゼンコンユェン)のロープウェイに乗るのが楽しい。

乗り場から山頂ま での所要時間はわずか2分。マカオ好き のリピーター女子によると「世界一短い ロープウェイといわれています。定員4人の小さなゴンドラが次々と来るんだけど、係員は待っている人を4人ずつどんどん乗せていくんです。日本ではグループ単位で乗せることが多いけど、そんな配慮はなし。二人きりで乗りたいカップルには迷惑でしょうね」と笑う。

ロープウェイで出会った人懐こい女の子。相乗りのゴンドラは地元の人と触れ合えるのが楽しい

ロープウェイで出会った人懐こい女の子。相乗りのゴンドラは地元の人と触れ合えるのが楽しい

たしかに、乗り場の係員は、若い学生らしいカップルに地元のおじさんを一緒くたに乗せていた。だが、そんなマカオ方式(?)のおかげで、人なつこい女の子と乗り合わせて、楽しい空中散歩に。目の下に、公園内に造られたジョギング・コースを走る人たちや、子供向けの遊具で遊ぶ家族連れなどを眺めながら、あっという間に山頂へ。ここから10分ほど坂道と階段を上ると灯台にたどりつく。

親切なマカオのおじさんが くれたサプライズ

灯台の見学時間を教えてくれた親切なおじさん。灯台の上から声をかけると手を振ってくれた。この公園で体操をするのは、日課なのかもしれない。

灯台の見学時間を教えてくれた親切なおじさん。灯台の上から声をかけると手を振ってくれた。この公園で体操をするのは、日課なのかもしれない。

石畳の坂道を登っていると、さきほどのおじさんが体操をしている。こちらに気づいた彼は、片言の英語と身振り手振りで、「今日は、年に数回、灯台の内部まで入れる貴重な日だよ。あと3分で閉まってしまうから急いで、急いで!」。

おじさんが指さす方向に慌てて走り、閉館直前に滑り込む。扉を閉めようとしていた係員が、こちらも身振り手振りで「遠くから来たんだろ、入っていきなさい」という感じでにこにこしながら中へ入れてくれる。

灯台からの眺めは圧巻。360度、マカオの街を見渡せる。かつて要塞が築かれたころはすぐ目の下まで海岸線が迫っていたことだろう。埋め立てが進み、発展する近未来都市マカオと昔日のマカオの風景が交錯する眺めが堪能できる。

ちなみに、灯台の下の石畳では、先ほどの親切なおじさんが体操の真っ最中。「おじさーん」と日本語で叫んで手を振ると、笑顔で振り返してくれる。言葉は分からないが、きっと「おー、よかったね」と言ってくれているのだろう。

正体は健康器具。公園の謎の遊具の数々

公園に置かれた健康器具。この器具は台の上に乗ってハンドルを回してウエストシェイプに使うものらしいが、実際には御覧の通りに足のストレッチに使うのもあり!?

公園に置かれた健康器具。この器具は台の上に乗ってハンドルを回してウエストシェイプに使うものらしいが、実際には御覧の通りに足のストレッチに使うのもあり!?

松山市政公園に置かれている黄色や赤に塗装された不思議な遊具。子供用にしては大型で、「どうやって遊ぶ?」と使い道は謎だ。

「あれは、健康器具なんです。台の上に乗って水平のハンドルを回すと、自然にウエストをひねる運動になったり、ぶら下がり健康器のような器具もあります。マカオのあちこちの公園に置かれていますが、ここが一番充実しているかな」とマカオ好きの女性。

腹筋や背筋、腿の筋肉のトレーニング器具は、スポーツクラブに置かれているものに近い。この公園にはランナーたちも多く、よく使われている。せっかくだから、歩きすぎて疲れた足の筋肉をほぐしておくのもいい。

マカオには来ていないヴァスコ・ダ・ガマも、記念公園になっています

「華士古達嘉馬花園」を示すアズレージョ。「華士古達嘉馬」と書いて「ヴァスコ・ダ・ガマ」。ガマ本人は、漢字で自分の名前が書かれるとは思っていなかったかも?オフィスビルやマンションに囲まれた公園は、子供たちの遊び場になっている

「華士古達嘉馬花園」を示すアズレージョ。「華士古達嘉馬」と書いて「ヴァスコ・ダ・ガマ」。ガマ本人は、漢字で自分の名前が書かれるとは思っていなかったかも?オフィスビルやマンションに囲まれた公園は、子供たちの遊び場になっている

松山市政公園内の道から東望洋斜巷(トンモンヨンチェーホン)を歩いて行くとぶつかるのが華士古達嘉馬花園(ワァシィグータッカマァファーユェン)。1898年のヴァスコ・ダ・ガマによるインド上陸400周年の年に、彼を記念して作られた公園だ。

ポルトガルの冒険家だったガマは、ポルトガルの海洋貿易の基礎を築いたものの、実はマカオには来ていない。だが、マカオの人にとっては、彼の偉業あってこそのマカオ、との思いがあるのかも。季節の花が美しい公園は、ギア灯台からの休憩にちょうどいい。

胸像、銅像の人物は誰?

p4-6大航海時代に始まるマカオ発展の歴史。街の中には、ゆかりある人物の像などが立っている。例えば、民政総署の中には、16世紀の ポルトガルの大詩人、ルイス・デ・カモンエスの胸像が置かれている。カモンエス像はカモンエス公園にも置かれているが、2つの胸像は作者が異なるのか、顔つきが違ってみえるのが面白い。ちなみに、カモンエス公園の胸像は、台座にヴァスコ・ダ・ガマの航海をうたった叙事詩「ウス・ルジアーダス」の一節が刻まれているという。

また、民政総署から徒歩3分ほどの場所にある歴史的建造物の「旧法院」と道路を挟んで立つ像は、ジョルジェ・アルヴァレス。1513年に初めて中国に上陸したポルトガル船のリーダーだ。彼がこの地に降り立たなかったら、今のマカオはなかったかもしれない。

そう考えると、歴史の偶然は実は必然であったのだろう。市内に建つさまざまな胸像や銅像は、そんなマカオ独特の歴史の奥深さを感じさせてくれる。