心も体も温かく。冬に食べたいマカオの定番料理
This winter, warm your body and soul with the tastes of Macau !


亜熱帯性気候で一年を通して暖かいマカオ。とはいえ、日本ほど明確ではないが四季があり、冬季は最低気温が10度を下回る寒い日も。そんな時は寒さを忘れるスープや煮込み、鍋料理がおすすめ。東洋と西洋の2つのテイストを取り入れた料理もマカオの旅の楽しみのひとつだ。

◆ 美肌も安眠効果も期待大!
体にいいことがたっぷりの薬膳スープ

左:本格的なスープを手軽に持ち帰りできる 右:霊芝と烏骨鶏が入った料理長自慢のスープ

左:本格的なスープを手軽に持ち帰りできる 右:霊芝と烏骨鶏が入った料理長自慢のスープ

素材の旨味が凝縮されたスープはそれだけで栄養を丸ごと吸収できるが、さらに〝体にいいこと〞をプラスしてくれるのが薬膳スープ。
街を歩くと、甘草や霊芝などの生薬を扱う店をよく見かける。一品一品を販売していたり、袋に数種類の生薬がパックされていたりするのも興味深い。
また、日本でコーヒーをテイクアウトするように、マカオでは薬膳スープを購入して持ち帰る人が多い。そのため、街なかには薬膳スープのテイクアウト専門店も目に付く。こうしたことからも、薬膳がマカオの日常の暮らしに根付いていることがうかがえるだろう。

烏骨鶏や霊芝が惜しげもなく入ったスープ

訪ねたのはマカオ半島のロータス広場近くにある中国料理店「九キュウ記ケ イ」。店先にはエビやアワビが入った生い けす簀が並び、新鮮な魚介を使った料理が味わえると地元でも人気の店だ。
料理長自慢のスープが「鮮霊芝圓肉炖竹絲雞(シェンリンヂーユェンロウドゥンヂュスージー)」。新鮮な霊芝と、ライチより一回り小さな果実の龍眼、そして烏骨鶏、豚足などの材料を鍋に入れて4時間かけて蒸した一品。余分な調味料などは加えず塩のみで味を調えたスープは、艶と透明感がある薄い黒色。初めはまろやかでコクがある味わいで、その後にほのかな苦味が届く。その、ほのかな加減が絶妙で後をひく。飲むほどに体の隅々まで生薬の効能が行きわたり、元気になりそうだ。
ちなみに、霊芝は血の巡りをよくするほか、シミやソバカスにも効能があるとされ、龍眼は不眠の改善に効能があるとされている。

◆ 折衷文化が息づくマカオならではの逸品

左:地元の人にも愛される「加路餐廳」 右:残り物がヒントで、おもてなし料理に進化した「タッチョ」

左:地元の人にも愛される「加路餐廳」 右:残り物がヒントで、おもてなし料理に進化した「タッチョ」

冬のおもてなし料理といえば、煮込み料理。じっくりコトコトと煮込み、食材のおいしさが溶け合って作り出す奥深い味わいが魅力の料理だ。
冬にしか食べられない、マカオの煮込み料理の代表といえば「タッチョ」。新口岸にあるマカオ・ポルトガル料理店「加路餐廳(カ ーロチャンテン)」では、深いガラスの器に盛られて登場した。豚バラ、鶏肉、アヒル、中国ソーセージ、コラーゲンたっぷりの豚の皮、青梗菜に似たパクチョイなど、具材の種類の多さが目を引く。
もともとは、大人数での食事の後に残ったものを鍋に入れて煮込んだことが、この料理の始まりだとか。そのため、多彩な種類の具材が少しずつ入っているのだ。現在は、大人数で食事をする機会が減り、逆に、クリスマスや旧正月などで大勢集まる際の家庭料理として、定着している。

まずはスープをひと口。数種類の肉を煮込んでいるとは思えない、さっぱりとして澄んだ味わいだ。それはスープのベースになる金華ハムを一度プーアール茶で茹でて、余分な油を落としているから。ソーセージやアヒル肉、豚の皮も一度茹でこぼし、きれいに洗うなどのていねいな下処理のたまもの。独特の香辛料の風味が特徴の中国ソーセージのアクセントが、いかにもマカオらしい。
またマカオの家庭では、マカオの伝統的な調味料〝バリシャオン(下記参照)〞をさっとかけ、香りづけをしてから食べることも多いという。

 


p6_3マカオ料理に大活躍の調味料

国が変われば料理が変わり、調味料も変わる。マカオならではの味や香りを引き出すのに欠かせない調味料のひとつが、上記の「タッチョ」でふれたバリシャオンだ。
ベースとなるのは、エビやオキアミなどに塩を加えて発酵させて作る魚醤。これに、ブランデーなどの蒸留酒やシナモン、ローリエ、唐辛子、レモン、黒コショウなどを加えて瓶に詰めて、寝かせるだけ。3週間ほどしてペースト状になれば完成。材料は多いが、作り方はいたってシンプルだ。
バリシャオンは炒めものやスープなど、さまざまな料理に使われる。旨味を加えるとともに発酵食品ならではの奥深いコクと香りを添えている。
ちなみに魚醤といえば、タイのナンプラーやベトナムのニョクマム、日本でもしょっつるが有名だが、これらは原料となる魚や発酵期間が異なる。まさに、ところ変わればである。
このほかにも、マカオが発祥といわれているオイスターソース、豆腐を唐辛子・辣椒とゴマ油、白酒で漬け込んだものなど、ユニークな調味料がある。お土産にも最適なので、ぜひ、スーパーマーケットへ行って探してみよう。


 

◆ 一人でも楽しめるのが今や当たり前
スープ+具材を自分流にアレンジ

卓上コンロに一人用鍋がセットされる

卓上コンロに一人用鍋がセットされる

街なかでよく目にするのが〝火鍋〞と書かれた看板。火鍋というと1つの鍋を二つに仕切り、紅白の2種類のスープが入った鍋を想像する方も多いと思うが、マカオでは単に鍋料理のことをいう。具材は海鮮や野菜、肉類など日本でもおなじみなものが多いが、羊肉がよく使われるのがひとつの特徴だ。店は庶民的なものから高級店まであり、店選びに迷うことも多い。また、鍋というと大人数で囲むイメージがあるので、一人旅や二人旅では楽しめないのでは…と心配する方も多いはず。そんな悩みを解消してくれるのが、「鮮シ ン」。コタイ地区にあるシェラトン・マカオ1階にある火鍋専門店だ。ここでは個々に鍋を用意してくれる。さらに鍋の具材はブッフェ形式で食べる量だけ自分でとれるので、一人でも問題なく利用できる。まずはスープのベースを広東風や四川風、マレーシアのラクサなど7種類から1つ選ぶ。あとはブッフェ台へ行き、好きなものを取る。ホタテやハマグリ、エビなどの新鮮な魚介類をはじめ、豚や牛、羊の肉類、野菜、さらにうどんや米粉の麺など麺も4種類とバラエティ豊か。肉三昧にしたり、最初に麺を食べたりと、好きなように食べられるのもブッフェならでは。デザートや一品料理もある。大勢で行って、味が異なる鍋を楽しむのもいい。

左:自分流の鍋が作れるのが魅力。 右:日本でいう「つくね」は、豚肉、イカ、カニなど種類が豊富。

左:自分流の鍋が作れるのが魅力。 右:日本でいう「つくね」は、豚肉、イカ、カニなど種類が豊富。

 

調理した火鍋。刻んだ赤唐辛子が「これでもか」とばかりにたくさん入っている

調理した火鍋。刻んだ赤唐辛子が「これでもか」とばかりにたくさん入っている

インスタント食品を使えば簡単!マカオの思い出の味を作ろう!
&Instant food

体が温まるマカオの定番料理の数々。現地で食べるだけでなく、インスタント食品をお土産として買って帰り、日本で作ってみんなで味わうのも楽しい。スーパーマーケットで購入した火鍋の素、生薬店で購入したレトルトの薬膳スープをご紹介しよう。

■ 火鍋
火鍋底料

辛口「火鍋底料」。スーパーマーケット「來來超級市場」にて29.8パタカ

火鍋の素として売られているのが「火鍋底料(235ℊ)」。赤色(辛口)と緑色(プレーン)のパッケージがあり、今回は赤色(辛口)で作ってみた。袋の中には粉末のスープの素、ラー油、素揚げした赤唐辛子、豆鼓が入っており、中国語と英語で簡単な作り方が表示されている。
まずは水6カップを鍋に入れて沸かし、袋の中身をすべて加える。次に、用意した具材の長ネギ(白い部分)、ニンニクを加え、さらに小エビ、豚肉の薄切り、鶏肉、チンゲンサイを入れて煮込む。
ぐつぐつと煮えるほどに、クミンをはじめとする滋味あふれる香辛料の香りが立ち上がる。何種類の香辛料が入っているかはわからないが、なんとも刺激的で食欲をそそる。真っ赤なスープはいかにも辛そうだが、見た目ほどではない。スープと具材の相性が抜群のおいしい火鍋が、約10分でできあがり。食べ進むうちに体が温まり、まさに元気が出る一品だ。

「鮑魚燉鶏」の柔らかく煮込んだアワビが美味。民政総署の近くの東方紅藥業有限公司にて55パタカ

「鮑魚燉鶏」の柔らかく煮込んだアワビが美味。民政総署の近くの東方紅藥業有限公司にて55パタカ

■ 薬膳スープ

生薬の店で購入したのは「鮑魚燉鶏」。レトルトなので、熱湯で温めるか、電子レンジで2分加熱すればOKだ。薄い塩味のスープの中にはアワビ、ホタテ、鶏肉、金華ハムなどがどっさりと入っている。
プラスチックの小さなスプーンもついている。
香辛料のきつい刺激もなく、全体的にまろやかでやさしい味わいだ。

Location Map / 店舗 Data

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