Labyrinth Macao –Exploring the Side Streets
西洋と東洋が融け合う街マカオ。
そんなマカオの魅力と出会うには、横道にそれてみるといい。くねくねと曲がった小路、カラフルな家並みの向こうに見える寺院、観光客で賑わう世界遺産でも、すく横の脇道は静かなたたずまいだったりする。不思議な迷宮(ラビリンス)のようなマカオは迷子のように歩くのが楽しい。
飾らないマカオを発見する
マカオの街は意外に小さい。たとえば、マカオ半島を実際に歩いてみると、北部の中国への出入境ゲート・關閘(クワンツァ)から南西部の媽閣廟(マァコッミュウ)まで、歩いても約2時間。大通りが何本も走り、そこから路地が網の目のように広がっている。「マカオを知るには、歩くのが一番。ウォーキングのように一定の速度で歩くのではなく、わざわざ迷子になるような気持ちで、好奇心を持って歩くといい」
マカオには何度も訪れているリピーターの言葉だ。
たとえば、マカオに来たら誰もが必ず立ち寄る世界遺産地区のセナド広場に面した仁慈堂(イャンチィトン)の建物の横をちょっと入ると、景色が一変する。静かな小路には緑があふれ、マカオの慈善事業の祖でもある初代司教の胸像が広場の賑わいを見つめている。
また、マカオのランドマークでもある聖ポール天主堂跡周辺は、ファサードの前は観光客でごった返していても、隣接するナーチャ廟界隈は人通りがぐっと少なくなる。そこから古い城壁を越えて横道に入れば、地元の人たちの生活感が漂う小さな広場や路地が続いている。
何度もマカオを訪れて、どんどんマカオが好きなるのは、こんな横道や路地の面白さに惹かれるから。マカオに暮らす人々にとっては、欧米ブランドや高級化粧品店、宝石店などが並ぶ大通りは着飾った顔。横道に並ぶ乾物や野菜などの食料品店、素朴な衣料品の店、お弁当や惣菜の店などは、スッピンの顔なのだろう。市場の前では散歩中の犬にも出会え、露天の床屋で順番待ちをする男の子をみかけるマカオの横道は、まさにラビリンス。
横道、寄り道歩きは、飾らないマカオが楽しめる。