「マカオグランプリ」で熱くなる!


Macau Grand Prix Heats Up the Fun

狭い公道をサーキットに作り替えて行われるマカオGP。間近に見るマシンのバトルは、迫力満点だ。

狭い公道をサーキットに作り替えて行われるマカオGP。間近に見るマシンのバトルは、迫力満点だ。

65回記念のお祭り一色

年間を通してマカオ最大のお祭り、といえるモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」は、11月15日から18日まで、マカオ市街地をサーキットにして行われる。

65 回目の記念となる今年のマカオGP。街には獅子舞も繰り出してお祝いムード一色になる。

65 回目の記念となる今年のマカオGP。街には獅子舞も繰り出してお祝いムード一色になる。

今年は1954年に第1回が行われてから65回目の開催となる記念の年。11月に入ってからの土日は、3・4日に、「マカオグランプリ・ファミリー・カーニバル」、10・11日は、「マカオグランプリ オープニングセレモニー」と自動車ショー、そして実際のレースコースである「ギア・サーキット」(公道コースの名称)が走れる「ギア・サーキット・ファン・ラン」が11日の開催と、まさにマカオグランプリ一色。このほかにも、地域住民によって撮影された、マカオグランプリをテーマにした写真・ビデオ展が9月から始まる予定で、マカオ挙げての祝賀ムードに包まれるのだ。

公道サーキットにしびれる

「マカオグランプリ」の最大の魅力は、なんといっても世界遺産がずらりと並ぶマカオの町並みを、封鎖して公道で行われる点だ。

「狭いマカオで、通常は、市民の車やバス、タクシーがひしめいて走っている道を、グランプリ開催中は、毎日午前6時から午後6時ないし6時半まで封鎖。最高速度時速250キロを超える怪物マシンやバイクが疾走するのです。退避所や、安全設備を置く余地もなく、むき出しのガードレールがそのまま、という場所も多く、観客もマシンの轟音や、スピード感、スリルを間近に体感できる。

ファンも、レース関係者さえも一度体験すると、その魅力にはまって虜になる人が多い」と地元のモータースポーツジャーナリストは言う。

同じ公道で行われるF1のモナコGPと比べても、「3倍難しい」と言われる1周6・2キロの難コースは、海側の短い直線で最大速を出したかと思うと、すぐ山側に入り、180度のヘアピンカーブ(メルコ・ヘアピン)を含む曲がりくねったコースが続く。この難コースを制して、世界の頂点に駆け上がったレーサーは、F1の「音速の貴公子」アイルトン・セナ(1983年)、ミハイル・シューマッハ(1990年)、日本人で初めてインディ500を制覇した佐藤琢磨(2001年)らそうそうたるメンバーがずらり。「マカオグランプリ」が「英雄の登竜門」と言われるゆえんだ。

フォーミュラカーから、ハコ車、バイクまで

モータースポーツファンでなくても楽しいのは、「マカオグランプリ」ではさまざまな車種、車による世界最高峰の戦いが見られるという点。かつてセナらが覇を競った日曜開催のメーンレース「F3ワールドカップ」(フォーミュラカー=1人乗りのレース専用車=のF1の下のカテゴリー)のほか、俗に「ハコ車」と呼ばれる4人乗りの市販乗用車による世界最高峰レース「ギア・レース(WTCC世界ツーリングカー選手権)」、ポルシェなどのスーパーカーによる「GTワールドカップ」、さらにバイクの最高峰レースが見られることだ。

メーンとなるF3のマシン。未来のF1レーサーの熱い闘いだ。

メーンとなるF3のマシン。未来のF1レーサーの熱い闘いだ。

「各レースごとに練習走行、予選、決勝が交互に繰り返されるので、観ていて飽きが来ない。F3を目当てに昨年初めて家族で観戦しましたが、怖がるかと思っていた4歳の娘が、バイクのレースになったとたん身を乗り出して観戦しだした。私もポルシェがぶつかり合いながら走るのを見て大興奮しました」と大阪から観戦に来たという主婦。

一度の観戦でさまざまな興奮を味わえるのは、東西フュージョンのマカオ料理さながらだ。

スタート&ゴール地点となるマカオ・フェリーターミナルのビル前で行われる表彰式。ビルの塗装のイメージはチェッカーフラッグだ。

スタート&ゴール地点となるマカオ・フェリーターミナルのビル前で行われる表彰式。ビルの塗装のイメージはチェッカーフラッグだ。

checkerスタンド観戦は平日に。

「第 65 回マカオグランプリ」のチケットはすでに販売開始されている。記念のグランプリだけに人気で、日本から見に行くには、旅行代理店を通じて先に購入しておくことがお勧めだ。観戦はすべて特設のスタンドから。価格は昨年から据え置きで、スタートとチェッカーフラッグを受けるゴール、表彰式などが見られるグランドスタンド( 土日50MOP、自由席)、ホテル・リスボア脇に特設されるリスボアスタンド( 土日900MOP、指定席)、メーンスタンド脇で第1 コーナー前の貯水池スタンド( 土日350MOP)がある。p5-6

1 番人気は、リスボアスタンド。スタートを切った各車が時速250 キロを超える速度でマンダリン・オリエンタル・マカオの前を通り、右90 度のターンを迎えるのが、ちょうどこのスタンドの前。少しでも先を行こうと、ギリギリまでブレーキを遅らせて殺到し、急ブレーキをかけてカーブを切って行く。狭いコースの一番の抜きどころでもあり、クラッシュと隣り合わせのドライバーの極限のテクニックが見られ、圧巻の醍醐味だ。しかも、指定席なので観戦途中の飲食にも便利だが、競争率は高い。とにかく雰囲気を味わいたいという人には、平日の初日、2日目がお得。決勝レースはなく、練習走行と、予選のみが行われるが、その代わり、料金はすべてのスタンドのチケットが50MOPで手に入る。

「 特に予選は、タイムアタックで決勝のスタート順を争うだけに、決勝とは違った緊張感があります。ギリギリのコーナリングでクラッシュやバイクの転倒などもあり、手に汗握る場面もしばしば。初めての人にはオススメです」と現地の女性ガイド。各レースのエントリー発表はこれからだが、ミハイル・シューマッハの長男で欧州F3 で活躍するミックや、今季の全日本F3 で連戦連勝の坪井翔ら日本人ドライバーも多数参戦予定。見どころは満載だ。checker