マカエンセの暮らしをしのぶパステルカラー


pastel

Pastel Color :A Rememberthe Life of Macaense

何気ない風景の中で、はっとするような色彩感覚に出会えるのがマカオの楽しさ。タイパを散歩中に見つけた洗濯物は、背景のクリームとライトブルーの塀の色合い、ちょこんと置かれた自転車とともに、現代アートのような美しさ。

何気ない風景の中で、はっとするような色彩感覚に出会えるのがマカオの楽しさ。タイパを散歩中に見つけた洗濯物は、背景のクリームとライトブルーの塀の色合い、ちょこんと置かれた自転車とともに、現代アートのような美しさ。

2つの文化が融合するマカエンセ

オリーブの鉢植えとピンクの壁が美しい建物は、今はレストランに改装され、ヨーロッパからの観光客らでにぎわっている。建物や通りを眺められるテラス席でのランチは、マカオならではの楽しみだ。

オリーブの鉢植えとピンクの壁が美しい建物は、今はレストランに改装され、ヨーロッパからの観光客らでにぎわっている。建物や通りを眺められるテラス席でのランチは、マカオならではの楽しみだ。

ブーゲンビリアの花のような濃いピンク、さわやかなミントグリーン…。パステルカラーの建物はマカオに暮らしたポルトガル人たちの住まい。マカオに溶け込んだ彼らとマカオの人たちとの間に生まれた人々とその子孫たちがマカエンセだ。

「うちの主人は、マカエンセの5代目なんですよ」。マカオで友人ができれば、そんな会話も珍しくない。

セナド広場周辺をはじめ、マカオのあちこちには、ポルトガル人やマカエンセたちの暮らした家が今でも残る。彼らの家はパステルカラーの建物が多いのが特徴だ。

通りを曲がり、路地や横道に入った先にあるピンクやグリーンの可愛らしい家々は、現在はカフェやレストランに様変わりしていることも多い。

オープンエアのテーブルでワインを楽しむヨーロッパからの観光客は、マカエンセたちが暮らした建物によく似合う。そんなカップルのお隣のテーブルに陣取って、ポートワインをグラスで飲みたくなる。

濃い葡萄色のポートワインは、マカエンセたちにとっては、はるか遠い自分たちのルーツを思い出させる味かもしれない。ピンク色の建物のテラスで、甘さの奥の奥にほんのりとした苦みが残るポートワインを味わうと、ちょっぴりマカエンセの気分になれる。

パステルカラーのお屋敷に、マカエンセの暮らしを再現

タイパ・ハウス・ミュージアムはペパーミントグリーンが印象的。石畳の歩道、水辺に面して置かれているベンチなど、ポルトガルの街を散歩している気分になれる。

タイパ・ハウス・ミュージアムはペパーミントグリーンが印象的。石畳の歩道、水辺に面して置かれているベンチなど、ポルトガルの街を散歩している気分になれる。

セナド広場からタイパ橋を渡り、車で約15分。かつての海岸通りに沿って並ぶ5棟のお屋敷が「タイパ・ハウス・ミュージアム」だ。

ペパーミントグリーンの壁に窓枠や玄関を縁取る白いライン、そしてオレンジの瓦屋根…。20世紀初頭にポルトガル人やマカオ高官が住んでいた邸宅を修復、保存している。石畳の通りに沿って並んでおり、ヨーロッパ風の優雅な雰囲気が漂う。どの角度で写真を撮っても絵になる一角だ。

建物の一つは、1900 年代初めごろの生活様式が再現されている。ここにくれば、往時のマカエンセたちの優雅な暮らしぶりがしのばれる。

広いリビングルームには、絹張りかと思える光沢のある生地のソファにマホガニーのテーブル、二階の寝室には天蓋付きのベッドにゆったりしたバスタブ。

友人と見学に来ていた地元の若いマカエンセの女性は、「父の話では、子供のころはこんな家に住んでいたとか。今はこうした家も少なくなって、我が家も都心のマンションです」と笑う。

また別の建物では、マカエンセたちの先祖につながるポルトガルの生活をパネルや民俗資料などで展示。農作業の様子、民族衣装、祭りの時の本物の被り物など珍しいものばかり。そこにもパステルカラーが使われ、マカオの色彩の豊かさのルーツが見える。

タイパ・ハウス・ミュージアムの内部。絹張のような光沢のソファ、カーテンの色合いは21世紀の今でも通じるおしゃれなインテリア。

タイパ・ハウス・ミュージアムの内部。絹張のような光沢のソファ、カーテンの色合いは21世紀の今でも通じるおしゃれなインテリア。

タイパ・ハウス・ミュージアムで見つけたポルトガルの人形。現地の祭りで使われる被り物は、豊かな色彩と生き生きした表情が面白い。

タイパ・ハウス・ミュージアムで見つけたポルトガルの人形。現地の祭りで使われる被り物は、豊かな色彩と生き生きした表情が面白い。



街を彩る色、色、色…

マカオ市街には、ポルトガル統治時代の建物が数多く残っている。例えば、ラザロ地区は色鮮やかなポルトガル建築が並ぶ小道。カラフルな建物は今でも政府機関、地元民の住居などに使われており、ぶらぶらと散歩しながら見ていると、2階の窓に干されている洗濯物と建物の配色も不思議に素敵に見えてくる。

一方、ペンニャ教会が建つ丘の斜面は高級住宅街。ピンク色や黄色のポルトガル風の邸宅が並び、ここが東洋の街であることを忘れてしまいそう。

また、マカオのシンボルともいえる聖ポール天主堂跡が坂道の上にちらりと見える小道、通称「恋愛通り」は、石畳を挟んだ両側にピンク色とレモンイエローの建物が軒を連ね、映画のワンシーンのような光景が広がる。ベンチに腰掛けて笑いあうカップルたちの姿がひきもきらないのは当然だな、と納得させられる素敵な通りだ。


坂道の両側のピンクとレモンイエローの建物、正面に少しだけのぞく聖ポール天主堂跡。恋愛通りは若者たちのデートスポットでもある。

坂道の両側のピンクとレモンイエローの建物、正面に少しだけのぞく聖ポール天主堂跡。恋愛通りは若者たちのデートスポットでもある。

ペンニャ教会の建つ丘の上から見る街並み。ピンク色のポルトガル風の家々が並ぶ高級住宅街だ。

ペンニャ教会の建つ丘の上から見る街並み。ピンク色のポルトガル風の家々が並ぶ高級住宅街だ。