早春のマカオは、撮りたいイベントがいっぱい!


Events in Macao are picturesque, too.

世界遺産・バラ広場では、春節を祝うドラゴン・ダンスが恒例となっている。

世界遺産・バラ広場では、春節を祝うドラゴン・ダンスが恒例となっている。

街中が盛り上がる「春節」

市内各所で盛り上がる年越しカウントダウン、マカオ・タワーの下から盛大に打ち上げられる花火で、華々しく新年を迎えるマカオ。その興奮も冷めやらぬうちに、マカオでは再び、新年を迎える準備が始まる。中華圏の伝統行事は今もほとんどが旧暦で行われており、なかでも旧暦の新年を祝う「春節」は、最大の行事のひとつだ。

マカオでも、旧暦の1月1日にあたる2019年2月5日の前日(大晦日)から休みになる会社が多く、5〜7日の三が日はパブリック・ホリデー。8日は金曜だが、9、10日の土日とつなげて7連休にする人も多くなる予想だ。

現地に住む日系企業の男性は、「春節を大切にする中華圏の人たちにとって、マカオは人気の旅行先。IR(統合型リゾート)で最新の華やかなショーやグルメを楽しめるというのもありますが、昔ながらの新年の風習が素朴な形で残っていることも魅力のひとつはないでしょうか」と話す。

春節のごちそうは富と繁栄を願う縁起物。

春節のごちそうは富と繁栄を願う縁起物。

大掃除を済ませた民家の入り口を、家族の繁栄と健康を願う張り紙「春朕」が彩る。

大掃除を済ませた民家の入り口を、家族の繁栄と健康を願う張り紙「春朕」が彩る。

たわわに実る柑橘は、富と吉祥の象徴。企業のオフィスや商店、家の軒先にも飾られる。

たわわに実る柑橘は、富と吉祥の象徴。企業のオフィスや商店、家の軒先にも飾られる。

 

西洋風の建物に飾られる正月飾り

例えば、民家や店舗の入り口は、赤や金の正月飾りで彩られ、富と幸運を招くといわれる柑橘の鉢植え、生花もそこかしこに飾られる。観光の拠点となるマカオ半島のセナド広場にも、干支や道教の神様などをかたどった大きなランタンが飾られ、お祭りムード一色。目の前の民政総署や、1929年に建てられた郵政総局などの西洋建築も中国風の装飾が施され、独特の景観を作り出す。

また、時折、遠くから爆竹の音が聞こえてくるのも、マカオならでは。爆竹の音には魔を払う力があり、景気よく派手に鳴らすほどいいとされているが、中国本土や香港では危険だということで、今は禁止されている。

「マカオでも爆竹は基本的には禁止されていますが、春節は特別。世界遺産の媽閣廟前の広場や、タイパにも爆竹を売る場所があり、場所は限られますが鳴らすことができるようになっています。昔は火薬の一大産地だったといいますから、文化継承の意味もあるのかも知れませんね」(同)

魔除けの爆竹を売る屋台。場所は限られるが思い切り鳴らすこともできる。

魔除けの爆竹を売る屋台。場所は限られるが思い切り鳴らすこともできる。

 

そんなわけで、普段から多くの観光客が訪れるマカオは、いつにも増して大にぎわい。三が日も、聖ポール天主堂跡周辺などの主要観光地では、飲食店や土産物店が営業しており、コタイ地区に林立するIRの中はもちろん無休。ライオン・ダンスやドラゴン・ダンズなど、春節を盛り上げる催しもあり、いつもとはひと味違う華やいだムードに包まれる。

恒例の「春節パレード」は、今年は2月7日と10日に開催。

15台ほどの山車が登場し、マカオ内外から総勢1000人以上のパフォーマーが参加。2019年は日本からも、鳥取県の傘踊りチーム「桜道里(オードリー)」が出場予定だ。観客がパレードを楽しめるよう、メインステージエリアとパレードコースにスタンド観覧席が設置されるが、席取りは至難の業。2回目のパレードは、マカオ半島北部で行われ、山車のパレードに加え、ステージでは文化的なショーを開催。祝祭ウィークもこれでフィナーレとなる。

「パッソス聖体行列」は、マカオ独自の祭り

厳かなムードが漂う「パッソス聖体行列」。十字架を担いだキリストの像を信者たちが掲げ、市内中心部にある2つの教会を往復。交通規制が敷かれ、地元市民はもとより世界から多くの見物客が訪れる。

厳かなムードが漂う「パッソス聖体行列」。十字架を担いだキリストの像を信者たちが掲げ、市内中心部にある2つの教会を往復。交通規制が敷かれ、地元市民はもとより世界から多くの見物客が訪れる。

同じく、早春に行われる行事に、マカオだけに伝わるカトリックの行事「パッソス聖体行列」がある。磔刑のためにゴルゴタの丘に向かうキリスト像を、紫色のローブに身を包んだ聖職者が掲げ、たくさんの信者とともに、マカオ半島の聖オーガスティン教会と大堂(カテドラル)の間を往復行進する。行列には毎年数千人の信者が参加、地元市民はもとより、世界中から多くの見物客が訪れる。

16世紀から続くといわれるこの行事、由来には諸説あるが、その昔、聖オーガスティン教会にあったキリストの受難像をカテドラルに移動したところ、翌日、誰も気づかないうちに元の場所に戻っていたという伝説に基づくといわれる。

行事は土曜日の朝、聖オーガスティン教会のミサから始まり、あたりがすっかり暗くなる夜7時ごろ、セナド広場の裏にあたる大堂へ向かって行列がスタートする。手に手に赤い蝋燭を持った信者たちが醸し出す厳かな雰囲気、マカオ警察の楽団が奏でる物悲しい音楽もあいまって、なんとも幻想的だ。大堂ではマカオ教区の司教が出迎え、キリスト像が安置されると、ひと晩中、祈りが捧げられる。

華やかな「春節」と対照的な荘厳な行列

p6-62日目となる日曜日は、大堂内での行事。キリストが十字架を背負ってゴルゴタの丘に向かう途中、汗を拭くよう自らのヴェールを差し出した聖ベロニカの故事にちなみ、ベロニカ役に選ばれた少女が壇上にのぼり、キリストの顔が浮かび上がったヴェールを広げ、神の起こした奇跡を再現する。その後、大堂を出発した行列は、マカオ司教を先頭に市庁舎のある大通りをゆっくりと歩き、約2時間かけて聖オーガスティン教会まで行進する。

現地でツアーガイドを務める女性が、「マカオのカトリック信者は、中国人が6割以上。中国人、マカエンセ(ポルトガル系マカオ人)が一緒に行進し、中国語とポルトガル語の両方で祈りが捧げられるのも、マカオならではの光景。パッソス聖体行列は2017年にはマカオの無形文化財に登録されています」と教えてくれた。

東洋と西洋の文化が融合する春節、独特のカトリック行事と、大きな行事が続く早春のマカオ。混雑を押してでも訪れる価値はある。