Usher in the Spring Amid the Festivals Where East Meets West
人々の笑顔が弾ける正月行事「春節」、マカオ独特のカトリックのお祭り「パッソス聖体行列」、土地の神様の誕生を祝う「土地誕」…。初春のマカオで、2018年の福と幸せをいただこう。
1年で最大の祭り「春節」
誰しもが心弾む新しい年、マカオの人たちは、ことのほか新年の行事を大切にする。マカオの年明けはにぎやかな音と、光と、人々の笑顔で始まる。その代表が、春節(旧正月)のさまざまな行事だ。
世界遺産の西洋建築にも中国風の正月飾りが施され、東西文化が融け合った、世界のどこにも見られない新春の光景となる。大きな音で魔を祓う爆竹、縁起物の龍の舞いなど、中国ならではの習わしも多い。
マカオ在住の日本人女性によると、「黄金を呼び込むようにと願って金柑を飾りますし、玄関の周囲に『福』や『平安』などの文字が金色で書かれたステッカーのようなものを貼る家も多いですね。金運、開運を願ってこうした準備を進めるのが、言ってみれば”マカオの年の瀬“。『春節』は1年で一番盛り上がる行事なんです」とか。
日本人にとって正月が特別な行事であるように、マカオの人々も同じように「春節」を大切にしている。
普段は仕事などが忙しくてなかなか集まれない家族や親戚も、この時ばかりは、一堂に集まり、しゃべったり、笑ったり、飲んだり、食べたりと、にぎやかに過ごす。
「面白いのは、マカオでは大人にもお年玉があるんですよ。目上の人から目下の人へあげるもので、職場の上司からお年玉をもらう部下もいるほどです。お年玉をもらえるのは子供たち、という日本人からみると、ちょっと羨ましいですね」と先ほどの女性が笑いながら教えてくれた。
厳かなカトリックの祭り
一方、カトリックの行事としては、1年の最初に行われるのが「パッソス聖体行列」。普段は、にぎやかな南国マカオにしては、いささか趣異なる祭りだ。
世界遺産に登録されている聖オーガスティン教会と大堂(カテドラル)という2つの有名な教会の間をキリスト像を掲げながら行進するもので、「行進といっても、イエス像は磔刑に向かう様子を象ったものですし、静かなお祭りです。その厳かな雰囲気は、そのほかのマカオの明るい行事に比べると、異彩をはなっているようですね」と旅行会社勤務の女性。
「パッソス聖体行列」は、2つの教会に由来しているだけあって、世界のカトリック教圏の中でもマカオだけの独特な祭りだ。ポルトガルから伝わったカトリックが、マカオという地で芽を吹き、根を生やした歴史の重さを感じさせる。
庶民の神様の誕生日も新年の行事
マカオの街を歩くと、商店の柱の下や家々の玄関横などに、小さな祠のようなものがちょこんと置かれているのを目にする。その土地を守る土地神様だ。
商店街で土地神様の掃除をしていたおじいさんによると、「土地を守り、暮らしを守ってくれる神様でね、毎朝、こうして線香を立てて、果実などをお供えするんだよ」。
その土地神様の誕生日を祝うのが「土地誕」。春先に行われる祭りで、期間中は、広東オペラの上演など、華やかなイベントが繰り広げられる。
クリスマスシーズンから華やぎは続く
12月から3月までは、マカオはイベント続きだ。クリスマスムードでいっそうに華やかになる12月初旬からは、公共施設や世界遺産の建築物などにもイルミネーションが飾られる。各ホテルのまるで競い合うような大型クリスマスツリーもこの時期の見物だ。そして年末年始のカウントダウンで、2018年の幕が開く。
この時期にマカオを訪れるなら、地元の人々と一緒に、初春にちなんだ行事を楽しみ、イベントに参加して、マカオの熱気を堪能しよう。